「ゆりかごのある丘から」は1996年6月24日に発売されたMr.Childrenの5番目のアルバム「深海」に収録されています。
ファンの中では最高傑作としての呼び声の高いアルバム「深海」の11曲目に収録されています。
アルバム「深海」でも、7曲目の名もなき詩から10曲目のマシンガンをぶっ放せにかけて、かなり盛り上がってきたタイミングで、少し全体の雰囲気を和らげるような曲調となっています。
歌詞が全体的にストーリーになっていて、とても感動的なので、本記事ではそんな「ゆりかごのある丘から」の歌詞を考察していきます。
ゆりかごのある丘からの歌詞はこちら
「ゆりかごのある丘から」の歌詞考察
草原には優しい風が吹いていて
草花達が一日中ワルツを舞ってた
鳥達の賛美歌をミツバチが運んできて
それが僕らの耳元で飛び交ってた
ゆりかごがそこにはいつも置いて有り
腰掛けた君の揺れる髪を撫でる度
柔らかな香りが僕を包み込み
思わず僕はその髪にキスをする
いつもここで待ち合わせて
君の作ったランチを食べてたっけ……
歌詞中に”舞ってた”や”飛び交ってた”という風に過去形になっているので、ここまでは回想シーンですね。
歌詞中に”僕ら”という単語や”君”という単語が出てくるので、主人公とその彼女の過去の思い出について記されています。
でも僕が戦場に行っているその間
君は大人になってしまっていて
あの約束を頼りに 生き延びて戻ったのに
君はもう違う誰かの腕の中
そして僕は一人
1番のサビです。
サビ前までは、過去の思い出について描かれていましたが、主人公の恋がとても悲しい終わりを迎えていることが分かります。
戦場に行く前に、生きて帰ってくると約束を交わし、その約束通りに生きて帰って来たけれど、そのころには彼女は別の男の彼女になっていて自分が取り残されているという、、、
とても残酷な現実が主人公を待ち受けていました。
ここから2番に進みます。
草原はあの日のままの優しさで
くたびれて戸惑う僕をそっと包み込む
争いには勝ったけど大事な物を失くして
一体僕は何をしていたのだろう
ぼくの肩に頭のせた
君の写真ゆりかごに置いて見て
一度だけ君がくれた 手紙を読み返したら
気付けなかった寂しさが降ってきて
ごめんねとつぶやいても もうどうなる訳でもなく
切なさがギュッと胸をしめつける
Ah 僕が戦場に行っているその間
君はもう違う誰かの腕の中
そして僕は一人
2番では、彼女を取られ、1人になった主人公が再度ゆりかごのある丘に向かった所から始まります。
大事なものを失って気付くものも多かったのだと思います。
ここまで踏まえて、全体的にストーリーのような構成になっていてあまり歌詞を深く考察するというほどでもなかったかなと思います。
しかし、「ゆりかごのある丘から」という曲名に実は物凄く深い意味が込められているんじゃないかなと思っています。
ここからは完全に筆者の解釈も入るので、その前提で読み進めていただければと思います。
ゆりかごから墓場までという言葉を聞いたことがあるという人、多いと思います。
昔のイギリスで、人が生まれてから死ぬまでの間、国が最低限の面倒を見るという社会福祉制度のスローガンのことです。
曲名は「ゆりかごのある丘から」となっていますが、「ゆりかごのある丘から墓場まで」と捉えて歌詞を読み解くと、また意味が異なって見えます。
ここで解釈できるパターンは以下の2通りだと思っています。
<パターン1:主人公が戦場で既に亡くなってしまっている>
実はすでに亡くなってしまっていて天国から彼女を見守っているというパターンです。
2番の歌詞で”争いには勝ったけど大事なものをなくして”との記載もあります。
とても愛した彼女のことを天国から一生見守っているということ
「ゆりかごから墓場まで」一生に守っていくという主人公の想いのようにも見れます。
<パターン2:戦場から生きて帰ってきたものの、彼女が違う男の彼女になっていて絶望し、思い出の丘で自ら命を絶ってしまう>
戦場から命がけで帰ってきて、彼女のためだけをずっと思って頑張って来たのに、待っていたのは悲しい現実だった主人公は、思い出のあるゆりかごのある丘から墓場に向かおうとしているという風にも解釈できます。
非常に悲しい結末ですが、「ゆりかごのある丘」を歌詞だけでなく曲のタイトルも交えて考察していくと、様々な解釈が可能です。
まとめ
ここまで「ゆりかごのある丘」について解説してきました。
収録されているアルバム「深海」はMr.Childrenファンの中で最高傑作とも呼び声の高いアルバムなので、ぜひアルバムを通して「深海」の世界観や「ゆりかごのある丘」を聞いていただけると嬉しいです。
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