Mr.Children「イミテーションの木」の歌詞の意味を考察!

Mr.Children

「イミテーションの木」はシングル曲としてはリリースされていませんが、2012年11月28日に発売されたMr.Childrenの17番目のアルバム「[(an imitation) blood orange]」に収録されています。

このアルバムがリリースされたのが2012年であり、2011年の東日本大震災の影響を受けて制作された「かぞえうた」を始め、「イミテーションの木」に関しても、東日本大震災のタイミングの影響受けて制作されたそうです。

イミテーションというのは、日本語訳すると”偽物”になるのですが、被災地を訪問した七夕のタイミングで、偽物の木(短冊を下げている木)の周りを子どもが楽しそうに遊んでいる様子を見て、偽物でも人を喜ばせることができればそれでいいのではと思ったことから制作されたと言われています。

そんな「イミテーションの木」の歌詞について紹介していきます!

「イミテーションの木」の歌詞考察

導火線の火が
シュって音を立てて砂浜を這う
その細く強い光
一瞬、静寂がふっと夜を包んで
浮かび上がる あの娘の横顔

歌詞の冒頭では、導火線の火が砂浜を這う様子が描かれています。導火線の光は細くても強く、その一瞬の静寂の中で浮かび上がる「あの娘の横顔」が象徴的です。ここでは、過去の美しい思い出や幻想が表現されており、その一瞬の輝きが強調されています。

風に乗って響いてく音 火薬の匂い
打ち上げられた花火に夢を重ね見上げていた

続く歌詞では、花火の音と火薬の匂いが描写されています。打ち上げられた花火に夢を重ねて見上げる姿は、夢や希望が高く舞い上がる様子を示しています。しかし、その夢が一瞬で消えてしまう花火のような儚さも暗示されています。

深く沈めた記憶
向こう岸に捨てた憧れ
青臭い恋のうた

この部分では、過去に深く沈めた記憶や、捨てた憧れ、そして若い頃の恋の歌が描かれています。これらは、過去の理想や希望、そしてそれが現在においてどれほど遠く感じられるかを示しています。

時間は残酷
もう魔法は解けてしまった
過去ばかりが綺麗に見える
現在(いま)がまた散らかっていく

時間の残酷さが強調されている部分です。過去の美しい記憶は、今の現実と対比されており、現在が散らかっていく様子が描かれています。この対比は、時間の流れとともに変わってしまう現実と、理想とのギャップを浮き彫りにしています。

リニューアルしたビルの中
イミテーションの木が茂る
その永遠の緑をボーっと見ていた

ここでは、リニューアルされたビルの中にあるイミテーションの木が描かれています。
イミテーションというのは偽物という意味なので、イミテーションの木というのは枯れることのない人口の木という事になります。

世界中に起こってる悲劇と比べたら
僕の抱えたモヤモヤなど
戯言だってよく知っている

この部分では、世界中の悲劇と自分の抱える悩みを比較しています。自分の悩みが取るに足らないものであると認識していることが表現されています。この対比は、主人公の内面的な葛藤と、自己認識の深さを示しています。

イミテーションの木の下を
少年が飛び跳ねている
それを見た誰かの顔がほころぶ
情熱も夢も持たない張りぼての命だとしても
こんなふうに誰かをそっと癒せるなら

イミテーションの木というのは偽物の人工物である木のことを指していますが、そんな木の下で子供が飛び跳ねて喜んでいる様子を見て、それを見ている他の誰かの顔がほころんでいる。
この様子を見て、例え偽物でも人を喜ばすことができるのであればそれでいいのではとしています。

導火線が今
シュって音を立てて胸に点る
この確かな強い光

再び導火線の描写が登場し、今度は胸に点る様子が描かれています。この確かな強い光は、内なる希望や決意を象徴しています。ここでは、主人公の中に生まれる新たな決意や希望が強調されています。

無機質なそのビルの中
イミテーションの木は茂る
なにかの役割を持ってそこにある
イミテーションの
イミテーションの
張りぼての命でも人を癒せるなら
本物じゃなくても君を癒せるなら

最後の部分では、無機質なビルの中にあるイミテーションの木が再び描かれています。その木が何かの役割を持っていることが強調され、張りぼての命でも人を癒せるならそれでいいというメッセージが込められています。この部分は、現実と理想の間で揺れ動く感情と、偽物でも誰かを癒すことができるという希望が表現されています。

まとめ

Mr.Childrenの「イミテーションの木」は、現実と偽物、夢と現実の狭間をテーマにした深い楽曲です。歌詞の中で描かれる過去の思い出、現在の虚しさ、そして未来への希望が繊細に表現されています。導火線の火やイミテーションの木といった象徴的なイメージが、曲全体のメッセージを強調しています。この曲を通じて、現実の中にある希望や癒しの力を再認識することができます。「イミテーションの木」は、これからも多くの人々に共感され、愛され続けることでしょう。

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