LOVEBITES(ラヴバイツ)メンバーとバンドの魅力

LOVEBITES

鮮烈なギターリフ、卓越した演奏技術、そして強烈な存在感。日本発のヘヴィメタルバンド、LOVEBITES(ラヴバイツ)は、2016年の結成以来、国内外のメタルシーンで注目を集め続けています。全員が女性メンバーで構成されるこのバンドは、男性が主流のヘヴィメタル界において、その圧倒的な実力と洗練されたサウンドで確固たる地位を築いてきました。今や世界中のメタルファンを魅了するLOVEBITESの魅力とは何なのか。彼女たちのバンドとしての歩みとメンバーそれぞれの個性に迫ります。

LOVEBITESとは?

バンドの概要と音楽スタイル

LOVEBITESは、2016年に結成された日本のヘヴィメタルバンドです。全員が女性という編成ながら、その音楽性はパワーメタルやスラッシュメタルを基調とした本格的なヘヴィメタル。メロディアスでありながらも重厚感のあるリフ、テクニカルな演奏、そして80年代から90年代の正統派メタルを彷彿とさせる洗練された楽曲構成が特徴です。

彼女たちの音楽性は、欧州のパワーメタルシーンの影響を色濃く受けており、ドラグォンフォースやアイアン・メイデンのようなバンドに通じるところがあります。ツインギターによる絡み合うリフとソロ、疾走感あふれるリズム隊、そして英語詞による力強いボーカルがLOVEBITESのサウンドを特徴づけています。

「日本のガールズバンド」という枠組みにとどまらず、純粋にヘヴィメタルバンドとして国際的な評価を得ている点も彼女たちの大きな特徴です。その実力は、世界最大級のメタルフェスへの出演や国際的な音楽アワードでの受賞など、様々な形で認められています。

LOVEBITES結成まで

結成経緯と初期メンバー

LOVEBITESの結成には、それぞれ異なるバックグラウンドを持つミュージシャンたちの出会いがありました。バンドの起源は、元女性メタルバンドDESTROSEのベーシストmihoとドラマーharunaにさかのぼります。DESTROSEの活動終了後、新たなバンドを結成することを決意した二人は、自分たちが目指すサウンドを実現できるメンバーを探し始めました。

その後、ギタリストのmidori(元Gekijo Metalicche)、ギタリスト兼キーボーディストのmiyako(元A Drop of Jokerや21g)、そしてボーカルのasami(VampsやUverworldのバックアップシンガーとして活動)が加入し、2016年に現在の形でLOVEBITESが結成されました。

バンド名の「LOVEBITES」は、アメリカのロックバンド・ヘイルストームの楽曲「Love Bites (So Do I)」に由来しています。この曲はグラミー賞を受賞した作品であり、力強い女性ボーカルが特徴的な楽曲です。その名前に込められた「愛の痛み」や「激しさ」は、彼女たちのヘヴィメタルサウンドとも見事に調和しています。

結成当初から、国内だけでなく海外での活動も視野に入れていたLOVEBITESは、英語詞での楽曲制作を選択。これが後の彼女たちの国際的な成功の布石となりました。

LOVEBITESの経歴

ビクターからメジャーデビュー

結成から約1年後の2017年、LOVEBITESはビクターエンタテインメントからバンド名を冠したEP『LOVEBITES』でメジャーデビューを果たします。このEPは、彼女たちの実力と可能性を示す重要な作品となりました。

同年10月には、早くも初のフルアルバム『Awakening from Abyss』をリリース。このアルバムでは、パワーメタルを基調としながらも、彼女たちの技術力と音楽性が遺憾なく発揮された楽曲が並び、メタルファンからの注目を一気に集めることとなります。

スピード感あふれるギターリフ、精密なツインギターハーモニー、そしてasamiの伸びやかで力強いボーカルは、ヘヴィメタルファンから高い評価を受け、デビュー作としては異例の反響を呼びました。

海外進出と国際的な成功

LOVEBITESの活動は早くから国境を越え、2017年には早くもイギリスでの初海外公演を実現。これを皮切りに、彼女たちの国際的な活動は急速に拡大していきます。

2018年には、イギリスの著名な音楽誌「METAL HAMMER」が主催する「Golden Gods Awards」で「Best New Band」を受賞。これは日本のバンドとしては初めての快挙でした。同年には、ドイツで開催される世界最大級のヘヴィメタルフェスティバル「Wacken Open Air」や、イギリスの「Download Festival」など、メタルファンにとっては名だたるフェスに出演し、その実力を国際的に証明しました。

2019年にはヨーロッパツアーを成功させ、2020年には北米ツアーも敢行。世界各地でのライブパフォーマンスを通じて、LOVEBITESは着実にその名声を高めていきました。

2024年には「Power Metal Band of the Year」を受賞するなど、結成からわずか8年でパワーメタルシーンにおける重要バンドとしての地位を確立。男性が多数を占めるヘヴィメタルシーンにおいて、純粋に音楽性と実力で評価されるバンドとして国際的な成功を収めています。

国内チャートでの成果

海外での成功と並行して、LOVEBITESは国内でも着実にその地位を固めてきました。2020年にリリースした3rdアルバム『Electric Pentagram』はオリコンチャートで初登場9位を記録し、メジャーデビューから約3年でトップ10入りという快挙を達成しました。

日本のヘヴィメタルバンドとしては異例の成功を収めつつある彼女たちは、メタルファンのみならず、幅広い音楽ファンからも注目を集めるようになりました。テレビやラジオなどのメディア露出も増え、「女性だけで結成されたヘヴィメタルバンド」という枠を超えて、純粋に実力のあるバンドとして認知されるようになっています。

メンバー紹介

asami(ボーカル)

LOVEBITESのフロントウーマンとして、その圧倒的な歌唱力でバンドを牽引するasami。彼女のパワフルかつクリアな高音ボーカルは、ヘヴィメタルの醍醐味であるスピード感と重厚さを見事に表現し、バンドの音楽性に欠かせない要素となっています。

LOVEBITESの結成前は、VampsやUverworldなどのバックアップシンガーとして活動していた経歴を持ち、その経験がLOVEBITESでの表現にも活かされています。英語詞での歌唱にも長けており、海外のファンからも高い評価を受けています。

ライブパフォーマンスでは、その圧倒的な声量と表現力で観客を魅了し、LOVEBITESの音楽をより立体的に伝える役割を担っています。

midori(ギター)

LOVEBITESのギタリストとして、テクニカルかつ情熱的なプレイを見せるmidori。彼女の繊細かつ激しいギタープレイは、バンドのサウンドに華やかさと深みを与えています。

元々はGekijo Metaliccheのメンバーだったmidoriは、クラシカルな要素を取り入れたソロや緻密なリフワークが持ち味。特に速弾きやスウィープピッキングなどの高度なテクニックを駆使したギターソロは、多くのギターファンをも魅了しています。

ライブでは派手なパフォーマンスも交えつつ、常に完成度の高いプレイを披露する彼女の存在は、LOVEBITESの音楽的な核の一つとなっています。

miyako(ギター / キーボード)

ギター兼キーボードを担当するmiyakoは、LOVEBITESのサウンドに多様性をもたらす重要な存在です。彼女のクリーントーンを活かしたメロディアスなギタープレイは、midoriのプレイとは異なる魅力を持ち、バンドのツインギター編成の妙を最大限に引き出しています。

また、キーボードの演奏も担当しており、シンフォニックな要素やオーケストラルなアレンジを加えることで、バンドのサウンドにさらなる広がりと深みを与えています。

元々はA Drop of JokerやSkylark、21gなどのバンドで活動していた経験を持ち、その音楽的なバックグラウンドの広さがLOVEBITESの音楽性の多様さにも繋がっています。

miho(ベース、リーダー)

LOVEBITESの元リーダーを務めていたのがベーシストのmihoです。力強くダイナミックなベースプレイで、バンドのリズムセクションを支えていました。

元DESTROSEのメンバーでもあるmihoは、LOVEBITESの結成において中心的な役割を担い、バンドの方向性や音楽性の確立に大きく貢献しました。残念ながら、2021年8月にバンドを脱退していますが、LOVEBITESの初期の成功を支えた重要な存在として、その功績は大きく評価されています。

技術的にも優れたベーシストとして、複雑なフレーズやタイトなリズムワークを得意とし、LOVEBITESの重厚なサウンドの基盤を確立しました。

haruna(ドラム)

バンドのリズムを支えるドラマーのharunaは、パワフルかつ繊細なドラミングでLOVEBITESのサウンドを下支えしています。高速のダブルバスや複雑なフィルインなど、ヘヴィメタルに欠かせないテクニカルなプレイを難なくこなす実力の持ち主です。

mihoと同じく元DESTROSEのメンバーであり、LOVEBITESの結成において中心的な役割を担いました。安定感のあるリズムキープと同時に、曲の展開に応じた表現力豊かなプレイで、バンドの楽曲を力強く推進する役割を果たしています。

ライブパフォーマンスでは、その卓越した技術と圧倒的なパワーで観客を魅了し、LOVEBITESのエネルギッシュなステージングを支える重要な存在となっています。

LOVEBITESのおすすめ曲

Don’t Bite The Dust

2017年にリリースされた初のEPに収録された「Don’t Bite The Dust」は、LOVEBITESの初期の代表曲の一つです。疾走感あふれるリズムと重厚なギターリフ、asamiのパワフルなボーカルが特徴的なこの曲は、彼女たちのヘヴィメタルバンドとしての実力を如実に示す作品となりました。

特に中盤のギターソロパートでは、midoriとmiyakoの高度なツインギターハーモニーが堪能でき、クラシカルなフレーズとスピード感溢れるテクニックが魅力的です。初期の楽曲でありながら、既にLOVEBITESの音楽性の核となる要素が詰まった一曲と言えるでしょう。

Rising

力強いビートと印象的なメロディが特徴的な「Rising」は、その名の通り「上昇」や「台頭」をテーマにした楽曲です。asamiの力強いボーカルと情感豊かな歌唱が際立ち、聴く者に勇気と希望を与えるような前向きなメッセージ性も魅力の一つです。

楽曲構成も秀逸で、イントロからサビに至るまでの流れが自然かつドラマチック。特にサビでの展開は圧巻で、バンドの持つエモーショナルな側面が存分に発揮されています。ライブでの盛り上がりも必至の、LOVEBITESのレパートリーを語る上で外せない楽曲の一つです。

When Destinies Align

キャッチーなリフと歌メロが印象的な「When Destinies Align」は、LOVEBITESの持つメロディアスな側面が強調された楽曲です。重厚なサウンドの中にも透明感のあるメロディラインが織り込まれ、ヘヴィネスとキャッチーさのバランスが絶妙に調整されています。

特に印象的なのがasamiのボーカルワーク。力強さの中にも繊細な表現が垣間見え、歌詞の持つ「運命の交差」というテーマを感情豊かに表現しています。ギターリフも耳に残りやすく、バンドの音楽的な幅広さを示す好例と言えるでしょう。

まとめ

結成からわずか数年で国際的な評価を得た日本のヘヴィメタルバンド、LOVEBITES。彼女たちの持つ卓越した技術力、正統派メタルへの深い理解と敬意、そして何より音楽への真摯な姿勢は、国籍やジェンダーを超えて多くの音楽ファンを魅了してきました。

男性が主流のヘヴィメタルシーンにおいて、「女性バンド」というラベリングに縛られることなく、純粋にその音楽性で評価されるLOVEBITESの存在は、日本の音楽シーンの多様性を世界に示す重要な存在となっています。

2021年にはmihoが脱退するという変化もありましたが、彼女たちの音楽への情熱は変わることなく、これからも日本発のヘヴィメタルバンドとして、世界中のファンを魅了し続けることでしょう。力強いリフと美しいメロディー、圧倒的な演奏技術と情熱的なパフォーマンス。LOVEBITESの魅力は、これからも多くの音楽ファンの心を掴み続けるに違いありません。

感想はこちらから

タイトルとURLをコピーしました