久保田利伸さんの音楽は、唯一無二の歌声と、洗練されたR&B/ファンクサウンド、そして都会的でセクシーな世界観で、多くの人々を魅了し続けています。
本記事では、久保田利伸の代表曲として広く知られるヒット曲から、ファンに長く愛される楽曲まで、厳選した10曲の魅力と背景を深掘りしてご紹介します。
目次
久保田利伸について
久保田利伸さんは、1962年生まれの静岡県出身のシンガーソングライターです。1986年にアルバム『 indelible Days』でデビューして以来、日本のR&B、ソウル、ファンクシーンを牽引する存在として活躍しています。彼の音楽の最大の特徴は、ブラックミュージックに深く根ざした、グルーヴィーで洗練されたサウンドと、ファルセットを多用する独特の歌唱法、そして都会的な恋愛や人生の機微を描いた歌詞です。
その卓越した歌唱力と表現力は、日本人離れしていると評され、海外のアーティストからも高い評価を受けています。ニューヨークを拠点に活動した経験もあり、マライア・キャリーの楽曲提供やナイル・ロジャースとのコラボレーションなど、グローバルな活躍もしています。ライブでは、その圧倒的な歌唱力と、観客を魅了するパフォーマンスで、多くのファンを熱狂させています。
久保田利伸の代表曲10選
ここからは代表曲を10曲紹介していきます!
LA・LA・LA LOVE SONG
1996年にリリースされた「LA・LA・LA LOVE SONG」は、フジテレビ系ドラマ『ロングバケーション』の主題歌として大ヒットを記録した、久保田利伸最大の代表曲です。トップモデルのナオミ・キャンベルをフィーチャーし、ドラマの世界観と見事に合致した、爽やかでポジティブなラブソング。聴いているだけで心が弾むようなメロディと、ポジティブな歌詞が特徴で、多くのリスナーの心を掴みました。ドラマと共に社会現象を巻き起こし、まさに久保田利伸の代表曲中の代表曲です。
Missing
1986年にリリースされたアルバム『KUBOSSA』に収録されている「Missing」は、久保田利伸の初期の代表曲であり、日本のR&Bバラードの金字塔と称される名曲です。失恋の痛みと、忘れられない恋への未練を、切なくも情熱的に歌い上げています。彼の感情豊かな歌声と、心に染み渡るメロディが多くのリスナーの涙を誘いました。多くのアーティストにカバーされ、まさに久保田利伸の代表曲として永遠に愛され続ける楽曲です。
You were mine
「You were mine」は、1988年にリリースされた楽曲で、フジテレビ系ドラマ『君の瞳をタイホする!』の主題歌として使用されました。久保田利伸の初期の代表曲の一つであり、彼のメロディメーカーとしての才能と、ファンキーなグルーヴが確立されたR&Bナンバーです。
歌詞は、別れた恋人を忘れられない喪失感と未練を歌っており、「あわせた胸のあいだに 夜を落として 帰らない My lover's eyes.」といった、都会的で大人の恋愛の切なさを描写しています。クールなサウンドの中に、切ない感情を込めて歌い上げる久保田のボーカルが際立ち、当時のトレンディドラマの世界観とも相まって、多くの若者の心を捉えました。
LOVE RAIN~恋の雨~
「LOVE RAIN ~恋の雨~」は、2010年にリリースされたシングルで、フジテレビ系ドラマ『月の恋人~Moon Lovers~』の主題歌です。フィラデルフィア・ソウル(Philly Soul)を彷彿とさせる、メロディアスで情熱的なR&Bバラードに仕上がっています。
「派手な無邪気も たまの弱音も こぼせ合えれば そこにReal Love.」という歌詞が象徴するように、真実の愛とは、すべてをさらけ出し、弱さも受け入れ合うことだと歌っています。「止まらない雨が 恋が降らせた雨が ふたりを 昨日へ 帰さない」と、恋の情熱を「雨」に例え、二人の愛が過去を断ち切り、未来へ向かっていく様を表現。久保田の魂の叫びにも似た熱唱が、ドラマティックな世界観を構築しています。
1,2,Play
「1, 2, Play」は、2025年にリリースされた楽曲で、TVアニメ『Let's Play クエストだらけのマイライフ』のオープニングテーマとして書き下ろされました。久保田利伸がアニメ主題歌を担当するのは、約30年ぶりという異例のタイアップとなりました。
この曲は、久保田らしいグルーヴィーかつクールなサウンドが特徴的なダンスナンバーです。タイトルが示すように、「1, 2, Play」というフレーズがリズムを刻み、聴く人を高揚感に満ちた世界へと誘います。アニメの世界観ともリンクし、困難な状況を乗り越え、軽やかに人生という「クエスト」を楽しもうという、ポジティブなメッセージが込められています。
流星のサドル
「流星のサドル」は、1986年のメジャーデビューアルバム『SHAKE IT PARADISE』に収録された楽曲です。後に、1980年代後半の日本のファンク・R&Bシーンを牽引した彼の初期の代表曲の一つとなりました。
この曲は、クールなグルーヴと、都会的な世界観を持つミディアムテンポのナンバーです。「サドル」という言葉が象徴するように、何かを追いかける疾走感や、夢に向かってひた走る情熱が表現されています。武部聡志との共同制作エピソードも持つこの曲は、久保田利伸が持つブラックミュージックへの深いリスペクトと、それを日本のポップスに昇華させる先駆的な才能を示した、極めて重要な楽曲です。
Cry on your smile
「Cry on your smile」は、1987年にリリースされたシングルです。代表曲「Missing」と並び評される久保田利伸流のバラードの名曲として知られています。
メロディメーカーとしての実力を存分に発揮した美しい旋律と、それを情感豊かに歌い上げる圧倒的な歌唱力が特徴です。歌詞は、愛する人の笑顔の裏に隠された悲しみに気づき、その人のために涙を流す(Cry on your smile)という、深い共感と愛情を表現しています。派手さよりも、久保田の歌声とメロディの凄みが際立つこの曲は、いつの時代にも色褪せない輝きを持ち、聴く人の心に寄り添う大人のラブソングです。
Cymbals
「Cymbals(シンバルズ)」は、2005年にリリースされたシングルです。TBSドラマ『君が人生の時』の主題歌として使用されました。この曲は、冒頭からサビの支配音を継続させるという、珍しい構成が特徴的で、一度聴くと忘れられない独特の世界観を生み出しています。
歌詞は、「重い あの日の シンバル じっとかまえた 夢中だった」といった、過去の夢や情熱といった大切な記憶と、「愛が壊れてく」現実の狭間で揺れる心情を描写。迷いや戸惑いを繰り返しながらも、「風をぬすんだ 子供の笑顔で」**困難な状況を切り抜けようとする、大人のユーモアと哲学が込められたミディアムチューンです。
SOUL BANGIN'
2015年にリリースされた「SOUL BANGIN'」は、久保田利伸の持つソウルフルな魅力が存分に発揮された楽曲です。心臓が「SOUL BANGIN'」と鳴り響くような、情熱的なサウンドと、ポジティブなメッセージが特徴。ライブでは、彼の熱いパフォーマンスと共に、観客を熱狂の渦に巻き込む、まさに久保田利伸の代表曲の一つです。
諸行は無常
「諸行は無常」は、2025年にリリースされた楽曲で、テレビ東京系ニュース番組『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のエンディングテーマとして書き下ろされました。タイトルは「世の中のすべてのものは移り変わり、常ではない」という仏教の教えに基づいています。
競争と急変に満ちた「無常の世界」の中で、「こわれないで 息を吐いて/しなやかにFlow.」と、柔軟さ(柔い手さばき)と強い志(堅い志し)を持って生きることの大切さを歌っています。夜の高速道路を彷彿とさせる疾走感のあるメロディーが、決して綺麗事では済まされない現実を救い上げ、「予想外を 嘆くよりも 呼ぼう まさかの粋な奇跡を」と、未来への希望を灯す、前向きなメッセージソングです。
まとめ
本記事では、久保田利伸さんの数ある名曲の中から、特に久保田利伸の代表曲として愛される10曲を厳選し、それぞれの魅力と背景をご紹介しました。彼の音楽は、唯一無二の歌声と、洗練されたR&B/ファンクサウンド、そして都会的でセクシーな世界観で、時代や世代を超えて多くの人々に支持され続けています。
久保田利伸の楽曲は、恋愛の喜びや悲しみ、人生の葛藤、そして希望といった普遍的な感情を、その唯一無二の表現力で表現することで、聴く人の心に深く響き、共感と活力を与えてくれます。彼は単なるシンガーソングライターではなく、音楽を通して人々に寄り添い、人生に彩りを与えてくれる存在です。これからも久保田利伸の音楽は、日本のみならず世界中で輝きを放ち、多くの人々の心に深く刻まれていくことでしょう。まだ聴いたことのない曲があれば、ぜひこの機会に久保田利伸の深く、そしてグルーヴィーな音楽の世界に足を踏み入れてみてください。