2014年12月31日に放送された第65回NHK紅白歌合戦は、平成という時代が終盤に差しかかり、日本の年末風景そのものが大きく変わりつつある中で行われた大会です。インターネットやスマートフォンが完全に生活に根づき、音楽の楽しみ方や情報の受け取り方は、かつてとは比べものにならないほど多様化していました。それでもなお、大晦日の夜に紅白歌合戦を観ながら一年を振り返るという時間は、多くの人にとって特別な意味を持ち続けています。第65回は、長い歴史を重ねてきた紅白歌合戦が、変化の激しい時代の中でも「年末の中心」にあり続けていることを、改めて実感させる回となりました。
目次
第65回紅白歌合戦の概要
第65回NHK紅白歌合戦は2014年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送で全国に中継されました。65回という節目を迎えた紅白歌合戦は、国民的番組としての役割を改めて意識した構成となっており、番組全体からは「これまでの歴史」と「これからの紅白」の両方を見据えた空気が感じられます。紅組・白組に分かれた出場歌手が、その年を代表する楽曲を披露していく基本スタイルは変わらず、世代やジャンルを超えた音楽が一堂に会する点は、この年も紅白ならではの魅力でした。この回の勝敗は白組の勝利となっており、結果も含めて、年末らしい静かな余韻を残す紅白歌合戦となっています。
第65回紅白歌合戦が開催された2014年の出来事
2014年の日本は、社会や暮らしの在り方について、人々が改めて向き合う場面の多い一年でした。日常の中で当たり前だと思っていたことを見直し、自分なりの価値観や生き方を大切にしようとする意識が広がっていきます。音楽の世界でも、J-POPを中心に多彩なアーティストが活躍し、楽曲は個人の感情や人生の一場面に寄り添う存在として受け止められていました。一方で、演歌や歌謡曲も人生や人情を丁寧に描く音楽として根強い支持を集め、世代を超えて親しまれ続けています。こうした時代背景の中で放送された紅白歌合戦は、一年を静かに振り返り、新しい年へ気持ちを整えるための大切な時間となっていました。
第65回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧
第65回NHK紅白歌合戦(2014年) 出場歌手・曲目一覧
※第65回は2014年(平成26年)12月31日に放送されました。
| 紅組歌手 | 紅組曲目 | 白組歌手(優勝) | 白組曲目 |
|---|---|---|---|
| HKT48(初) | メロンジュース | Sexy Zone | 紅白にHITOMEBORE |
| E-girls | Highschool ♡ love | AAA | さよならの前に |
| miwa | Faith | 福田 こうへい | 東京五輪音頭 |
| SKE48 | 不器用太陽 | 郷 ひろみ | 99は終わらない |
| NMB48 | イビサガール | ポルノグラフィティ | アポロ |
| 藤 あや子 | あや子のお国自慢だよ~がんぼろな東北!!~ | T.M.Revolution | 紅白2014スペシャルコラボレーション |
| 水樹 奈々 | 紅白2014スペシャルコラボレーション | クリス・ハート | 糸 |
| 伍代 夏子 | ひとり酒 | 三代目 J Soul Brothers | R.Y.U.S.E.I. |
| 西野 カナ | Darling | 細川 たかし | 応援歌、いきます |
| 香西 かおり | 酒のやど | 徳永 英明 | 花は咲く |
| 天童 よしみ | やっぱ好きやねん | 森 進一 | 年上の女(ひと) |
| 坂本 冬美 | 男の火祭り | V6(初) | WAになっておどろう |
| 和田 アキ子 | 古い日記~2014紅白スペシャル~ | SEKAI NO OWARI(初) | Dragon Night |
| 絢香 | にじいろ | ゴールデンボンバー | 女々しくて |
| May J.(初) | Let It Go ~ありのままで~ | 関ジャニ∞ | オモイダマ |
| Perfume | Cling Cling | 氷川 きよし | ちょいときまぐれ渡り鳥 |
| ももいろクローバーZ | My Dear Fellow with Mononofu JAPAN | 五木 ひろし | よこはま・たそがれ |
| 水森 かおり | 島根恋旅 | TOKIO | LOVE YOU ONLY |
| いきものがかり | GOLDEN GIRL | SMAP | みんなで歌おう!SMAPメドレー |
| きゃりーぱみゅぱみゅ | きらきらキラー | EXILE | NEW HORIZON |
| 神田 沙也加 | 生まれてはじめて | 長渕 剛 | 明日へ続く道 |
| 椎名 林檎 | NIPPON -紅白ボーダレス篇- | 福山 雅治 | 2014スペシャルメドレー |
| 薬師丸 ひろ子(初) | Woman "Wの悲劇"より | 美輪 明宏 | 愛の讃歌 |
| 石川 さゆり | 天城越え | 嵐 | 2014 Thanks Medley |
| AKB48 | 心のプラカード | ||
| 中島 みゆき | 麦の唄 | ||
| 松田 聖子 | あなたに逢いたくて~Missing You~ |
特別企画・企画コーナー
| 企画名・出演 | 内容・曲目 |
|---|---|
| 嵐 meets 妖怪ウォッチ | キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」、Dream5「ようかい体操第一」 |
| みんなで歌おう!アナと雪の女王 | 神田 沙也加「生まれてはじめて」、イディナ・メンゼル「Let It Go」(NY中継) |
| 中森 明菜 | Rojo -Tierra-(企画ゲスト、米国レコーディングスタジオより中継) |
| サザンオールスターズ | ピースとハイライト、東京VICTORY(シークレットゲスト、横浜アリーナより中継) |
まとめ
第65回NHK紅白歌合戦は2014年の大晦日に放送され、平成後半の日本社会と音楽文化の姿を穏やかに映し出した大会となりました。変化のスピードが速まる時代の中でも、紅白歌合戦は変わらず年末に人々が集う場所であり続け、音楽を通じて一年を締めくくる時間を提供していました。森進一、五木ひろし、北島三郎をはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第65回は、紅白歌合戦が「時代とともに形を変えながら続いていく年末の風景」であることを、改めて実感させる一回と言えるでしょう。