紅白歌合戦

【1978年/昭和53年】第29回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1978年12月31日に放送された第29回NHK紅白歌合戦は、昭和50年代後半の日本社会と音楽シーンの成熟ぶりを色濃く映し出した回です。高度経済成長を経て安定期に入った日本では、人々の暮らしは落ち着きを見せ、年末年始を家族と静かに過ごす文化がより定着していました。大晦日の夜に紅白歌合戦を観ながら一年を振り返るという過ごし方は、この頃には完全に国民的な習慣となっており、紅白は「一年の終わりを実感させてくれる番組」として揺るぎない存在感を放っていました。第29回は、そうした時代の空気の中で行われた、安定感と時代性を併せ持つ紅白歌合戦です。

第29回紅白歌合戦の概要

第29回NHK紅白歌合戦は1978年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に中継されました。番組の基本構成は前回までと同様で、紅組・白組に分かれた出場歌手が順に登場し、その年を代表する楽曲を披露していく紅白ならではのスタイルが踏襲されています。派手な演出よりも、歌そのものをじっくり楽しめる進行が印象的で、長時間の生放送でありながら年末の落ち着いた雰囲気に自然と溶け込む内容となっていました。この回の勝敗は白組の勝利となっており、結果発表も含めて、大晦日の恒例行事として多くの家庭で語られていたことがうかがえます。

第29回紅白歌合戦が開催された1978年の出来事

1978年の日本は、経済や社会が安定期に入り、人々の関心が「量」から「質」へと移っていた時代でした。生活の中でのゆとりや、心の充実を大切にする価値観が広がり、音楽もまた日常に寄り添う存在として親しまれていました。音楽シーンでは、歌謡曲に加えてニューミュージックやポップスが幅広い世代に浸透し、個人の感情や人生観を表現する楽曲が支持を集めていきます。こうした時代背景の中で放送された紅白歌合戦は、変化する音楽の流れを受け止めつつ、世代を超えて共有できる年末の場として重要な役割を果たしていました。

第29回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第29回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第29回NHK紅白歌合戦(1978年) 出場歌手・曲目一覧

※第29回は1978年(昭和53年)12月31日に放送されました。

紅組歌手 紅組曲目 白組歌手(優勝) 白組曲目
榊原 郁恵(初) 夏のお嬢さん 郷 ひろみ バイブレーション
岩崎 宏美 シンデレラ・ハネムーン 平尾 昌晃・畑中 葉子(初) カナダからの手紙
石川 さゆり 火の国へ 狩人 国道ささめ雪
研 ナオコ かもめはかもめ 野口 五郎 グッド・ラック
芹 洋子(初) 坊がつる讃歌 角川 博(初) 許してください
桜田 淳子 しあわせ芝居 西城 秀樹 ブルースカイブルー
庄野 真代(初) 飛んでイスタンブール 世良公則&ツイスト(初) あんたのバラード
サーカス(初) Mr.サマータイム さとう 宗幸(初) 青葉城恋唄
渡辺 真知子(初) 迷い道 原田 真二(初) タイム・トラベル
佐良 直美 愛の消しゴム 加山 雄三 海 その愛
中原 理恵(初) 東京ららばい 新沼 謙治 北挽歌
高田 みづえ 花しぐれ 細川 たかし 港夜景
和田 アキ子 コーラス・ガール 千 昌夫 北国の春
水前寺 清子 肥後の駒下駄 フランク 永井 公園の手品師
太田 裕美 ドール 内山田 洋とクール・ファイブ さようならの彼方へ
西川 峰子 東京ラブ・コール 菅原 洋一 恋歌師
青江 三奈 ふられぐせ 春日 八郎 さよなら宗谷
八代 亜紀 故郷へ・・・ 五木 ひろし 熱愛
小柳 ルミ子 雨・・・ 北島 三郎 与作
森 昌子 彼岸花 三波 春夫 さくら日本花の旅
由紀 さおり トーキョー・バビロン 布施 明 めぐり逢い紡いで
島倉 千代子 りんどう峠 村田 英雄 人生劇場
都 はるみ なんで女に 森 進一 きみよ荒野へ
山口 百恵 プレイバック Part2 沢田 研二 LOVE(抱きしめたい)

特別企画・エピソード

出来事 内容
ポップス対決のトリ 従来の演歌歌手によるトリではなく、紅組は山口 百恵、白組は沢田 研二という、当時のトップアイドル・ポップス歌手がトリを務めるという画期的な構成でした。
ニューミュージック勢初出場 世良公則&ツイスト、原田 真二、サーカス、庄野 真代、渡辺 真知子など、ニューミュージック系のアーティストが多数初出場を果たしました。

まとめ

第29回NHK紅白歌合戦は1978年の大晦日に放送され、安定した時代の中で紅白歌合戦が果たしていた役割を改めて実感させる大会となりました。社会や音楽の在り方が変わり続ける中でも、紅白歌合戦は変わらず一年の締めくくりとして、多くの家庭に寄り添う存在であり続けていました。美空ひばりや森進一、五木ひろしをはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第29回は、紅白歌合戦が成熟した国民的番組として歩み続けていることを感じさせる一回と言えるでしょう。

Mr.Lyric 編集部

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