紅白歌合戦

【1976年/昭和51年】第27回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1976年12月31日に放送された第27回NHK紅白歌合戦は、昭和50年代に入りつつある日本社会の空気感と、音楽の多様化がより自然な形で番組に溶け込んできた回です。高度経済成長を経て、暮らしは安定期に入り、人々は「豊かさ」だけでなく「心地よさ」や「自分らしさ」を重視するようになっていました。大晦日の夜に紅白歌合戦を観ながら一年を振り返るという習慣は、もはや特別な行事ではなく、日本の年末そのものを象徴する風景として定着しています。第27回は、そうした成熟した社会の中で行われた、落ち着きと安心感のある紅白歌合戦でした。

第27回紅白歌合戦の概要

第27回NHK紅白歌合戦は1976年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に中継されました。番組の基本構成は前回までと同様に、紅組・白組に分かれた出場歌手が順番に登場し、その年を代表する楽曲を披露していくスタイルが踏襲されています。派手な演出よりも、歌そのものをじっくり楽しめる構成が印象的で、長時間の生放送でありながらも年末の落ち着いた時間帯に自然と寄り添う番組づくりがなされていました。この回の勝敗は白組の勝利となっており、結果発表も含めて、紅白歌合戦が恒例行事として確固たる地位を保っていたことがうかがえます。

第27回紅白歌合戦が開催された1976年の出来事

1976年の日本は、オイルショック後の混乱が落ち着き、社会全体が安定した成長と生活の質を重視する段階に入っていた時代です。人々の関心は大量消費から、日常の充実や心の豊かさへと移り、文化や娯楽もより身近な存在として楽しまれるようになっていました。音楽の世界では、歌謡曲に加えてフォークやニューミュージックが幅広い世代に浸透し、それぞれのライフスタイルに寄り添う楽曲が支持を集めていきます。こうした背景の中で放送された紅白歌合戦は、変化する時代の空気を受け止めながらも、変わらない年末の安心感を提供する存在として、多くの家庭に受け入れられていました。

第27回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第27回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第27回NHK紅白歌合戦(1976年) 出場歌手・曲目一覧

※第27回は1976年(昭和51年)12月31日に放送されました。

紅組歌手(優勝) 紅組曲目 白組歌手 白組曲目
山口 百恵 横須賀ストーリー 野口 五郎 針葉樹
西川 峰子 峰子のマドロスさん 細川 たかし 置き手紙
キャンディーズ 春一番 フォーリーブス 踊り子
南 沙織 哀しい妖精 堺 正章 苺の季節
太田 裕美(初) 木綿のハンカチーフ 新沼 謙治(初) 嫁に来ないか
佐良 直美 ひとり旅 内山田 洋とクール・ファイブ 東京砂漠
和田 アキ子 雨のサタデー 西城 秀樹 若き獅子たち
桜田 淳子 夏にご用心 郷 ひろみ あなたがいたから僕がいた
研 ナオコ(初) LA-LA-LA あおい 輝彦(初) あなただけを
梓 みちよ メランコリー 菅原 洋一 夜のタンゴ
伊藤 咲子(初) きみ可愛いね 田中 星児(初) ビューティフル・サンデー
いしだ あゆみ 時には一人で 橋 幸夫 俺ら次郎長
森 昌子 恋ひとつ雪景色 三橋 美智也 津軽甚句
岩崎 宏美 ファンタジー 三波 春夫 人生おけさ
藤 圭子 はしご酒 殿さまキングス 恋は紅いバラ
水前寺 清子 鬼面児 村田 英雄 男の土俵
由紀 さおり つかの間の雨 ダーク・ダックス 二十二歳まで
島倉 千代子 逢いたいなァあの人に フランク 永井 東京午前三時
八代 亜紀 もう一度逢いたい 森 進一 さざんか
二葉 百合子(初) 岸壁の母 加山 雄三 ぼくの妹に
小柳 ルミ子 逢いたくて北国へ 春日 八郎 あん時ゃどしゃ降り
青江 三奈 女から男への手紙 北島 三郎
ちあき なおみ 酒場川 布施 明 落葉が雪に
都 はるみ 北の宿から 五木 ひろし 愛の始発

特別企画・エピソード

出来事 内容
都 はるみ 初トリ この年、日本レコード大賞を受賞した「北の宿から」で、初めて紅組のトリを務めました。
フレッシュな顔ぶれ 田中 星児「ビューティフル・サンデー」、太田 裕美「木綿のハンカチーフ」、新沼 謙治など、多くの初出場歌手がヒット曲を披露しました。

まとめ

第27回NHK紅白歌合戦は1976年の大晦日に放送され、安定した時代の中で紅白歌合戦が果たしていた役割を改めて感じさせる大会となりました。社会や音楽の在り方が変わり続ける中でも、紅白歌合戦は変わらず一年の締めくくりとして、多くの家庭に寄り添う存在であり続けていました。美空ひばりや森進一、五木ひろしをはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第27回は、紅白歌合戦が成熟した国民的番組として歩み続けていることを実感させる一回と言えるでしょう。

Mr.Lyric 編集部

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