紅白歌合戦

【1968年/昭和43年】第19回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1968年12月31日に放送された第19回NHK紅白歌合戦は、昭和40年代後半の日本社会と音楽シーンの変化を色濃く反映した回です。高度経済成長が続く中で、人々の暮らしはさらに豊かになり、テレビは生活に欠かせない存在として完全に定着していました。大晦日の夜に紅白歌合戦を観ながら一年を締めくくるという習慣は、世代を超えて共有される国民的な風景となり、紅白は年末行事の中心として揺るぎない地位を築いていました。この第19回は、伝統的な歌謡曲と新しい時代の空気が同時に感じられる大会として、多くの視聴者の記憶に残る回となっています。

第19回紅白歌合戦の概要

第19回NHK紅白歌合戦は1968年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に中継されました。番組構成はすでに完成された形となっており、紅組・白組に分かれた歌手たちが順に登場し、その年を代表する楽曲を披露していくスタイルが踏襲されています。司会進行も安定しており、長時間の生放送でありながら、視聴者が自然な流れで最後まで楽しめる内容となっていました。この回の勝敗は白組の勝利となり、結果発表も含めて大晦日の恒例行事として、多くの家庭で話題になっていたことがうかがえます。

第19回紅白歌合戦が開催された1968年の出来事

1968年の日本は、高度経済成長の中で社会構造や価値観が大きく変化しつつあった時代です。若者文化の台頭や学生運動の活発化など、社会全体が大きなうねりの中にありました。音楽の分野でも、従来の歌謡曲に加えて、フォークやポップスといった新しいジャンルが広がりを見せ、世代によって支持される音楽の傾向が分かれ始めていました。こうした背景の中で放送された紅白歌合戦は、時代の変化を受け止めながらも、世代を超えて楽しめる番組として重要な役割を果たしていました。1968年という年は、紅白歌合戦が「伝統」と「変化」の両方を内包する存在へと進化していく過程にあったことを感じさせます。

第19回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第19回紅白歌合戦には、昭和歌謡を代表するベテラン歌手と、その時代を象徴する人気歌手が多数出演しました。紅組では美空ひばり、島倉千代子、江利チエミ、雪村いづみ、ペギー葉山、奈良光枝など、長年第一線で活躍してきた女性歌手たちが名を連ね、安定した歌唱力と豊かな表現力で番組を支えています。紅組のステージからは、紅白歌合戦が大切にしてきた伝統と格式が強く感じられました。

一方、白組には三橋美智也、春日八郎、フランク永井、藤山一郎、岡本敦郎、ディック・ミネといった昭和歌謡界を代表する男性歌手が出演し、力強さと哀愁を併せ持つ歌声で番組を盛り上げました。これらの出演者はいずれも当時の音楽シーンを象徴する存在であり、紅白歌合戦が一年の歌謡界を総括する舞台として機能していたことを改めて印象づけています。

第19回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第19回NHK紅白歌合戦(1968年) 出場歌手・曲目一覧

※第19回は1968年(昭和43年)12月31日に放送されました。

紅組歌手 紅組曲目 白組歌手(優勝) 白組曲目
都はるみ 好きになった人 三田明 バラの涙
佐良直美 すきなファニー 布施明 愛の園
ペギー葉山 愛の花咲くとき 千昌夫(初) 星影のワルツ
小川知子(初) ゆうべの秘密 黒沢明とロス・プリモス(初) たそがれの銀座
ピンキーとキラーズ(初) 恋の季節 ジャッキー吉川とブルー・コメッツ 草原の輝き
ザ・ピーナッツ ガラスの城 西郷輝彦 友達の恋人
三沢あけみ 木曽節 フランク永井 加茂川ブルース
伊東ゆかり 恋のしずく 鶴岡雅義と東京ロマンチカ(初) 小樽のひとよ
西田佐知子 あの人に逢ったら 水原弘 愛の渚
九重佑三子 ラスト・ワルツ 菅原洋一 奥様お手をどうぞ
中尾ミエ 恋のシャロック ダーク・ダックス ラ・ゴロンドリーナ
島倉千代子 愛のさざなみ 三波春夫 世界平和音頭
江利チエミ 八木節 北島三郎 薩摩の女
青江三奈 伊勢佐木町ブルース アイ・ジョージ 別れのバラード
中村晃子(初) 虹色の湖 美川憲一(初) 釧路の夜
園まり ひとりにしないで 舟木一夫 喧嘩鳶
岸洋子 今宵あなたが聞く歌は 春日八郎 たそがれの砂丘
梓みちよ 月夜と舟と恋 デューク・エイセス いい湯だな
扇ひろ子 みれん海峡 村田英雄 竜馬がゆく
越路吹雪 イカルスの星 バーブ佐竹 雨おんな
水前寺清子 男でよいしょ 坂本九 世界の国からこんにちは
黛ジュン 天使の誘惑 森進一(初) 花と蝶
美空ひばり 熱祷(いのり) 橋幸夫 赤い夕陽の三度笠

特別企画・エピソード

出来事 内容
ピンキーとキラーズ デビュー曲「恋の季節」が爆発的なヒットを記録し、初出場を果たしました。ボーカルの今陽子は当時17歳でした。
森進一 初出場 「花と蝶」で初出場を果たし、独特のハスキーボイスで人気を博しました。

まとめ

第19回NHK紅白歌合戦は1968年の大晦日に放送され、時代の転換期にあった日本社会と音楽文化を映し出す大会となりました。社会や音楽の価値観が大きく変わりつつある中でも、紅白歌合戦は世代を超えて共有できる国民的番組として、多くの家庭に受け入れられていました。美空ひばりや三橋美智也をはじめとする昭和歌謡のスターたちが集結したこの第19回は、紅白歌合戦が次の時代へと歩みを進めていく過程を感じさせる、重要な一回と言えるでしょう。

Mr.Lyric 編集部

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