紅白歌合戦

【1967年/昭和42年】第18回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1967年12月31日に放送された第18回NHK紅白歌合戦は、昭和40年代の日本社会と音楽シーンの変化が、よりはっきりと表れ始めた回として位置づけられます。高度経済成長が続く中で、人々の暮らしは安定と豊かさを増し、テレビは完全に家庭の中心的な存在となっていました。大晦日の夜に紅白歌合戦を観ながら一年を締めくくるという習慣は、この頃には完全に定着しており、紅白は「年末の象徴」として揺るぎない存在感を放っていました。第18回は、そうした成熟した時代の空気を背景に行われた、安定感と時代性を併せ持つ大会です。

第18回紅白歌合戦の概要

第18回NHK紅白歌合戦は1967年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送で全国に中継されました。番組の基本構成は前回までと同様に、紅組・白組に分かれた歌手たちが順に登場し、その年を代表する楽曲を披露していく形式が採られています。司会進行も非常に安定しており、長時間の生放送でありながら、全体として落ち着いたテンポで番組が進行していました。この回では白組が勝利しており、勝敗の結果も含めて、大晦日の恒例行事として多くの家庭で語られていたことがうかがえます

第18回紅白歌合戦が開催された1967年の出来事

1967年の日本は、高度経済成長の流れが続く中で、若者文化や大衆文化が大きく広がりを見せていた時代です。音楽の世界では、従来の歌謡曲に加え、ポップスやグループサウンズといった新しい潮流が注目を集め始めていました。社会全体が変化していく中で、紅白歌合戦は伝統的な歌謡曲を大切にしつつ、新しい時代の空気も取り込みながら進化を続けていました。1967年という年は、紅白歌合戦が時代の移り変わりを映す鏡としての役割を、より明確に果たし始めた時期だったと言えるでしょう。

第18回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第18回紅白歌合戦には、昭和歌謡を代表する実力派歌手と、その時代を彩る人気歌手が数多く出演しました。紅組では美空ひばり、島倉千代子、江利チエミ、雪村いづみ、ペギー葉山、奈良光枝など、長年にわたって第一線で活躍してきた女性歌手たちが名を連ね、安定した歌唱力と豊かな表現力でステージを支えています。紅組のパフォーマンスからは、紅白歌合戦が築いてきた伝統と格式が強く感じられました。

一方、白組には三橋美智也、春日八郎、フランク永井、藤山一郎、岡本敦郎、ディック・ミネといった昭和歌謡界を代表する男性歌手が出演し、力強さと哀愁を併せ持つ歌声で番組を盛り上げました。これらの出演者は、その年の音楽シーンを象徴する存在であり、紅白歌合戦が一年の歌謡界を振り返る舞台として機能していたことを改めて感じさせます。

第18回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第18回NHK紅白歌合戦(1967年) 出場歌手・曲目一覧

※第18回は1967年(昭和42年)12月31日に放送されました。

紅組歌手(優勝) 紅組曲目 白組歌手 白組曲目
水前寺清子 どうどうどっこの唄 舟木一夫 夕笛
園まり 愛は惜しみなく 水原弘 君こそわが命
山本リンダ(初) こまっちゃうナ 山田太郎 あの娘が恋をつれてきた
日野てる子 南十字の星に泣く 布施明(初)
三沢あけみ お手を拝借 ハナ肇とクレージー・キャッツ 花は花でも何の花
梓みちよ 渚のセニョリーナ 三田明 夕子の涙
仲宗根美樹 恋しくて 美樹克彦(初) 花はおそかった
越路吹雪 チャンスがほしいの 村田英雄 浪花の勝負師
金井克子 ラ・バンバ ジャッキー吉川とブルー・コメッツ ブルー・シャトウ
伊東ゆかり 小指の想い出 菅原洋一(初) 知りたくないの
岸洋子 わかっているの フランク永井 生命ある限り
島倉千代子 ほれているのに 橋幸夫 若者の子守唄
江利チエミ ひとり泣く夜のワルツ 西郷輝彦 願い星叶い星
中尾ミエ ただそれだけ 坂本九 エンピツが一本
西田佐知子 涙のかわくまで ダーク・ダックス すばらしい明日
扇ひろ子(初) 新宿ブルース 春日八郎 花かげの恋
弘田三枝子 渚のうわさ バーブ佐竹 星が言ったよ
黛ジュン(初) 霧のかなたに 荒木一郎(初) いとしのマックス
こまどり姉妹 三味線渡り鳥 和田弘とマヒナスターズ 男の夜曲
佐良直美(初) 世界は二人のために 加山雄三 別れたあの人
都はるみ 初恋の川 北島三郎 博多の女
ザ・ピーナッツ 恋のフーガ アイ・ジョージ カチューシャ
美空ひばり 芸道一代 三波春夫 赤垣源蔵

特別企画・エピソード

出来事 内容
フレッシュな初出場 山本リンダ、黛ジュン、佐良直美、布施明、菅原洋一など、後に歌謡界を代表する歌手が多数初出場を果たしました。
グループ・サウンズの登場 「ブルー・シャトウ」でレコード大賞を受賞したジャッキー吉川とブルー・コメッツが出場し、GSブームを象徴しました。

まとめ

第18回NHK紅白歌合戦は1967年の大晦日に放送され、紅白歌合戦が時代の変化を受け止めながらも、国民的行事としての役割を確実に果たしていたことを示す回となりました。音楽の多様化や若者文化の台頭が進む中でも、紅白歌合戦は世代を超えて楽しめる存在として、多くの家庭に受け入れられていました。美空ひばりや三橋美智也をはじめとする昭和歌謡のスターたちが集結したこの第18回は、紅白歌合戦が安定期から次の時代へと向かう過程にあったことを感じさせる一回と言えるでしょう。

Mr.Lyric 編集部

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