紅白歌合戦

【1964年/昭和39年】第15回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1964年12月31日に放送された第15回NHK紅白歌合戦は、紅白歌合戦の歴史の中でもひときわ象徴的な意味を持つ回です。この年の日本は、東京オリンピックの開催によって国全体が大きな高揚感に包まれており、社会・文化の両面で「戦後からの脱却」を強く実感する一年でした。そうした時代背景の中で迎えた第15回紅白歌合戦は、まさに高度経済成長期の日本を映し出す年末の風物詩として、多くの家庭で特別な思いとともに視聴されていました。紅白はすでに単なる音楽番組ではなく、一年を締めくくる国民的行事として確固たる地位を築いていたのです。

第15回紅白歌合戦の概要

第15回NHK紅白歌合戦は1964年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送で全国に中継されました。この頃の紅白は番組構成や進行が完成形に近づいており、紅組・白組に分かれた歌手たちが、その年を代表する楽曲を披露する流れが完全に定着しています。司会進行も安定感があり、長時間の生放送でありながら、視聴者が最後まで楽しめる構成となっていました。この回では白組が勝利しており、勝敗の結果も含めて大晦日の恒例行事として、多くの家庭で話題に上っていたことが記録からも読み取れます。 <h2>第15回紅白歌合戦が開催された1964年の出来事</h2>

1964年は、日本にとって歴史的な一年でした。東京オリンピックが開催され、日本は世界に向けて戦後復興を成し遂げた姿を示しました。新幹線の開業や高速道路の整備など、インフラ面でも大きな進展があり、人々の生活や価値観は大きく変化していきます。こうした社会の変化は、文化や娯楽のあり方にも影響を与え、音楽番組はより多くの人々にとって身近な存在となっていました。紅白歌合戦は、そんな時代の空気を象徴する番組として、一年の終わりに家族や世代を超えて共有できる特別な時間を提供していたのです。

第15回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第15回紅白歌合戦には、昭和歌謡を代表する実力派・人気歌手が多数出演しました。紅組では美空ひばり、島倉千代子、江利チエミ、雪村いづみ、ペギー葉山、奈良光枝など、長年にわたり第一線で活躍してきた女性歌手たちが名を連ね、それぞれがその年を象徴する楽曲を披露しています。安定した歌唱力と豊かな表現力は、紅組のステージに深みと華やかさをもたらしていました。

白組には三橋美智也、春日八郎、フランク永井、藤山一郎、岡本敦郎、ディック・ミネといった昭和歌謡界を支え続けてきた男性歌手が出演し、力強さや哀愁を感じさせる歌声で番組を盛り上げました。出演者の顔ぶれからは、紅白歌合戦がその年の音楽シーンを総括する舞台として、確固たる役割を果たしていたことがうかがえます。

第15回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第15回NHK紅白歌合戦(1964年) 出場歌手・曲目一覧

※第15回は1964年(昭和39年)12月31日に放送されました。

紅組歌手 紅組曲目 白組歌手(優勝) 白組曲目
朝丘雪路 夜の八丈島 北島三郎 そうらん仁義
仲宗根美樹 午前0時のブルース 田辺靖雄 二人の星を探そうよ
伊東ゆかり・園まり・中尾ミエ 夢みる想い 芦野宏 ほゝにかゝる涙
渡辺はま子 桑港のチャイナタウン 藤山一郎 長崎の鐘
坂本スミ子 マラゲーニア デューク・エイセス A列車で行こう
九重佑三子 ウエディング・ドレス 三田明 ごめんねチコちゃん
畠山みどり 浮世街道 春日八郎 ロザリオの島
岸洋子 夜明けのうた 立川澄人 オー・ソレ・ミオ
梓みちよ リンデンバウムの歌 ボニー・ジャックス 幸せなら手をたたこう
コロムビア・ローズ(二代目) 智恵子抄 克美しげる さすらい
西田佐知子 東京ブルース アイ・ジョージ 紅子のバラード
こまどり姉妹 女の恋 新川二朗 東京の灯よいつまでも
島倉千代子 ふたりだけの太陽 村田英雄 皆の衆
江利チエミ 木曽節 三橋美智也 また来るよ
ペギー葉山 ラ・ノビア フランク永井 大阪ぐらし
弘田三枝子 アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド 植木等 だまって俺についてこい
青山和子 愛と死をみつめて 西郷輝彦 十七才のこの胸に
倍賞千恵子 瞳とじれば 舟木一夫 右衛門七討入り
淡谷のり子 別れのブルース 伊藤久男 イヨマンテの夜
五月みどり 温泉芸者 和田弘とマヒナスターズ お座敷小唄
越路吹雪 サン・トワ・マミー 森繁久彌 戦友
雪村いづみ ショウほどすてきな商売はない ダーク・ダックス アンジェリータ
吉永小百合 瀬戸のうず潮 橋幸夫 恋をするなら
ザ・ピーナッツ ウナ・セラ・ディ東京 坂本九 さよなら東京
美空ひばり 三波春夫 俵星玄蕃

特別企画・エピソード

出来事 内容
東京オリンピック記念 東京オリンピックの年を記念し、入場行進曲「オリンピック・マーチ」や「東京五輪音頭」が番組内で使用されました。
スパーク3人娘 伊東ゆかり、園まり、中尾ミエの3人が「スパーク3人娘」として揃って出場し、「夢みる想い」を披露しました。
美空ひばり「柔」 翌年の日本レコード大賞を受賞することになる大ヒット曲「柔」で紅組トリを務めました。

まとめ

第15回NHK紅白歌合戦は1964年の大晦日に放送され、日本が大きな節目を迎えた年の締めくくりとして、強い印象を残した回となりました。東京オリンピックに象徴される高度経済成長期の中で、紅白歌合戦は国民の心をひとつにする存在として、年末の風景に欠かせない番組となっていました。美空ひばりや三橋美智也をはじめとする昭和歌謡のスターたちが集結したこの第15回は、紅白歌合戦の歴史の中でも、時代の転換点を感じさせる重要な一回として、今なお語り継がれています。

Mr.Lyric 編集部

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