【1960年/昭和35年】第11回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介！

1960年12月31日に放送された第11回NHK紅白歌合戦は、昭和30年代の音楽シーンがさらに成熟し、紅白歌合戦が名実ともに「国民的番組」として確立された時代を象徴する回です。テレビの普及率は年々高まり、大晦日の夜に家族そろって紅白歌合戦を視聴するという光景が、日本各地で当たり前のものになっていました。紅白に出場する歌手の顔ぶれも安定しつつあり、その年を代表するヒット曲が一堂に会する場として、音楽ファンからも大きな注目を集めていました。

第11回紅白歌合戦の概要

第11回NHK紅白歌合戦は1960年12月31日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国へ届けられました。番組構成はこれまでの流れを踏襲しつつ、進行や演出面での完成度がさらに高まったことが特徴です。紅組と白組に分かれた歌手たちが順番に登場し、それぞれがその年の代表曲を披露する形式はすでに定着しており、長時間番組でありながらもテンポよく楽しめる構成となっていました。この回では白組が勝利を収めており、勝敗の行方も含めて年末の話題として多くの視聴者の関心を集めました。

第11回紅白歌合戦が開催された1960年の出来事

1960年の日本は、高度経済成長の波が本格化し、社会全体が大きく変化していた時代です。一方で、安保闘争など政治的・社会的な動きも活発化しており、国民の意識が大きく揺れ動いた年でもありました。そうした中で、紅白歌合戦のような娯楽番組は、日常の緊張から解放される貴重な時間として、多くの人々に親しまれていました。音楽は世代を超えて共有できる存在であり、紅白歌合戦は社会の空気を映し出しながらも、人々の心を和ませる役割を果たしていたと言えるでしょう。

第11回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第11回紅白歌合戦には、昭和歌謡を代表する実力派・人気歌手が数多く出演しました。紅組には美空ひばり、島倉千代子、雪村いづみ、江利チエミ、ペギー葉山、奈良光枝などが名を連ね、情感豊かな歌声と安定した歌唱力でステージを彩っています。女性歌手の存在感は年々増しており、紅組のパフォーマンスは番組の大きな見どころとなっていました。

一方、白組には三橋美智也、春日八郎、フランク永井、藤山一郎、岡本敦郎、ディック・ミネといった昭和歌謡界を支えた男性歌手が出演し、力強さと哀愁を併せ持つ歌声で紅組に対抗しました。いずれの出演者も当時の音楽シーンを代表する存在であり、紅白歌合戦という舞台が、その年の歌謡界を総覧する場として機能していたことがうかがえます。

まとめ

第11回NHK紅白歌合戦は1960年の大晦日に放送され、紅白歌合戦が日本の年末行事として完全に定着していたことを示す大会となりました。社会が大きく変化する時代の中で、音楽を通じて人々をつなぐ役割を果たした紅白歌合戦は、多くの家庭にとって欠かせない存在となっています。美空ひばりや三橋美智也をはじめとする昭和歌謡のスターたちが集結したこの第11回は、紅白歌合戦の歴史を語るうえで重要な一回として、今なお記憶される回と言えるでしょう。