ダンスと歌の実力を兼ね備え、男女混合グループとして日本の音楽シーンに新たな風を巻き起こしたAAA(トリプルエー)。2005年のデビューから15年間にわたり、数々の名曲とパフォーマンスで多くのファンを魅了してきた彼らは、現在活動休止中ながらも、その人気は衰えることを知らない。デビュー20周年を迎える2025年、ファンの間では再始動への期待も高まる中、彼らの軌跡と魅力、そして現在の活動をまとめてみた。7人でスタートし、現在は5人となった彼らの物語を追いながら、AAA(トリプルエー)の全てをお届けしよう。
目次
AAAとは?グループの基本情報と魅力
まずは、AAAがどのようなグループなのか、その基本情報や結成の背景について紹介しよう。
グループ結成の背景と歴史
AAAは、2005年9月14日にシングル「BLOOD on FIRE」でデビューした、日本の男女混合パフォーマンスグループだ。エイベックス・エンタテインメント所属で、レーベルはavex traxとなる。
結成当初は西島隆弘、浦田直也、日高光啓、與真司郎、末吉秀太、伊藤千晃、後藤友香里の7人体制でスタート。デビュー当時は「Attack All Around」というプロジェクト名も掲げられ、音楽活動だけでなく、様々なメディアでの露出も積極的に行っていた。
デビュー以降、精力的に活動を続け、2020年12月31日まで15年間の活動を展開。その後、2021年11月20日から12月25日の約1ヶ月間、活動を限定再開し、男女混合アーティストとして初めての6大ドームツアーを達成するという偉業を成し遂げた。
グループ名の由来
「AAA」という名前には、「Triple A」(トリプルエー)と読み、いくつかの意味が込められている。
まず一つ目は「Attack All Around」。これは文字通り「あらゆる方向に攻めていく」という意味で、音楽だけでなく、ダンス、演技、バラエティなど多方面で活躍するという彼らの姿勢を表している。
AAAが人気を集めた理由
AAAが長年にわたって多くのファンを魅了してきた理由はいくつかある。
まず第一に、全メンバーが高いダンススキルと歌唱力を併せ持っていることだ。特にライブパフォーマンスでは、激しいダンスを踊りながらも安定した歌唱を披露し、その実力の高さで観客を魅了してきた。
次に、メンバー全員が個性的でありながらも、グループとしての一体感を持っていた点も大きい。特に男女混合グループという珍しい構成は、曲の表現の幅を広げ、多彩な魅力を生み出す要因となった。
また、楽曲のジャンルも、ロック、ダンス、バラード、EDM、R&Bなど多岐にわたり、様々な音楽ファンの心を掴んできた。常に新しい挑戦を続けるというスタンスも、長く支持される理由の一つだろう。
デビュー前の活動|ストリートライブ時代のエピソード
AAAは、デビュー前からエイベックスの育成プロジェクトの一環として、ストリートライブを精力的に行っていた。
渋谷や原宿などの若者が集まる街なかでパフォーマンスを披露し、地道に知名度を上げていった彼ら。夏の暑い日も、冬の寒い日も、雨の日も、様々な天候の中で踊り続け、歌い続けた。
特に印象的なのは、デビュー前に行われた全国47都道府県でのストリートライブツアー。わずか数ヶ月という短期間で日本全国を回り、その体力と精神力は並々ならぬものだった。
メンバーの日高は後のインタビューで「ストリートでのライブは観客が通りすがりの人ばかりで、最初は誰も立ち止まってくれなかった」と振り返っている。それでも諦めず、一人また一人と足を止めてくれる人を増やしていった彼らの姿は、後のグループとしての強さの礎となった。
AAAの活動休止までの経緯
15年間の活動の後、AAAは活動休止を選択した。その経緯と理由について見ていこう。
活動休止の発表と理由
2020年1月15日、AAAは公式サイトで「年内をもって一旦活動を休止する」ことを発表した。
メンバーそれぞれが30代を迎え、これからの活動や生き方について本音で話し合った結果、「グループ活動15周年という節目である2020年をもってAAAは一旦休止し、それぞれの道を歩む」という結論に至ったという。
活動休止の発表後には、多くのファンから驚きと寂しさの声が上がったが、同時に彼らの決断を応援する声も多く見られた。長年にわたり全力で駆け抜けてきた彼らだからこそ、次のステップへ進むための休止を選んだのだろう。
活動休止前最後のライブ
新型コロナウイルスの影響で当初予定されていた15周年記念ライブが延期となったが、2021年11月20日から12月25日にかけて、「AAA DOME TOUR 15th ANNIVERSARY -thanx AAA lot-」と題した全国6大ドームツアーが開催された。
特に12月25日に行われた札幌ドームでの千秋楽公演は、グループとしての最後の舞台となり、メンバーとファンの双方にとって忘れられない瞬間となった。最後のMCでは、メンバー全員が涙ながらに感謝の気持ちを伝え、「またいつかこの5人で会える日を楽しみにしていてください」という言葉で締めくくった。
このライブをもって、AAAは本格的に活動休止に入り、メンバーはそれぞれのソロ活動に専念することとなった。
再始動の可能性はある?
2025年は、AAAがデビューして20周年を迎える節目の年となる。ファンの間では、この記念すべき年に合わせた再始動への期待が高まっていた。
しかし、2024年に宇野実彩子が妊娠を報告したことで、少なくとも約1〜2年は宇野の身動きが取りづらいため、20周年での再開は現実的には難しいという見方が強まっている。
とはいえ、メンバー全員が折に触れて「いつかまた5人で」という言葉を口にしており、いつの日か再始動する可能性は十分に残されている。ただ、それがいつになるのかは、現時点では未定だ。
AAAの現メンバー紹介
ここでは、現在のAAAメンバー5人について、詳しく紹介していこう。
西島隆弘
- 生年月日:1986年9月30日
- 出身地:北海道
グループのメインボーカルを務める西島隆弘さんは、その圧倒的な歌唱力と表現力で多くのファンを魅了しています。ソロアーティスト「Nissy」としても絶大な人気を誇り、ドームツアーを成功させるなど、そのエンターテイメント性は高く評価されています。俳優としても数々のドラマや映画に出演し、幅広い役柄をこなしています。
宇野実彩子
- 生年月日:1986年7月16日
- 出身地:東京都
AAAの女性ボーカルの一人である宇野実彩子さんは、パワフルかつ繊細な歌声が特徴です。ソロアーティストとしても活動しており、その歌声とファッションセンスで多くの女性から支持を得ています。舞台やミュージカルにも出演するなど、表現者として多岐にわたる活躍を見せています。
日高光啓
- 生年月日:1986年12月12日
- 出身地:千葉県
ラップ担当の日高光啓さんは、「SKY-HI」名義でソロアーティストとしても活動しています。作詞・作曲も手がけ、プロデューサーとしても才能を発揮し、数々のアーティストを育成しています。彼の生み出すリリックとメロディは、AAAの楽曲に独自の世界観を与えてきました。
與真司郎
- 生年月日:1988年11月26日
- 出身地:京都府
グループのクールな魅力を持つ與真司郎さんは、甘い歌声と洗練されたダンスでファンを魅了します。ソロ活動では、主に海外を拠点に活動しており、グローバルな視点を持つアーティストとして活躍しています。ファッションにもこだわりがあり、自身のブランドも展開しています。
末吉秀太
- 生年月日:1986年12月11日
- 出身地:長崎県
末吉秀太さんは、キレのあるダンスとパワフルなボーカルでAAAのパフォーマンスを支えています。ソロアーティスト「SHUTA SUEYOSHI」としても活動しており、その独創的な世界観と高い表現力でファンを惹きつけます。ファッションセンスも抜群で、多くの若い世代から支持を集めています。
AAAの脱退メンバー紹介
AAAには、これまでに活動を離れたメンバーが3人いる。彼らの脱退理由や現在の活動について見ていこう。
後藤友香里
AAAのオリジナルメンバーの一人だった後藤友香里は、デビューから約1年半後の2007年3月に脱退した。脱退の理由は「進路変更のため」と公表され、芸能界を引退した。
後藤は脱退後、一般人として生活しており、その後の公の活動はほとんど確認されていない。デビュー当時はダンススキルの高さが特に評価されており、グループ内でも重要な存在だっただけに、その脱退は当時のファンにとって大きな衝撃だった。
伊藤千晃
AAAの女性メンバーとして長年活躍した伊藤千晃は、2017年3月をもってグループを脱退。同年に結婚・妊娠を発表し、現在は一児の母として、仕事と家庭を両立させている。
脱退後もモデルやタレントとして精力的に活動しており、ファッション誌の表紙を飾るなど、その美貌は健在。また、YouTubeチャンネルも開設し、料理や美容などの情報を発信している。
AAAのメンバーとしての活動時代から変わらない親しみやすさと明るさで、脱退後も多くのファンに支持されている。
浦田直也
AAAのリーダーとして長らくグループを牽引してきた浦田直也は、2019年4月に女性に対する暴行事件を起こし、その責任をとる形でグループを脱退した。
この事件は大きな社会的反響を呼び、浦田自身も謹慎期間を経て、改めて自分自身と向き合う時間を持った。2021年には「START OVER」と題したソロ活動を再開し、反省と感謝の気持ちを込めた楽曲を発表している。
かつてのAAAのメンバーとしての活動は二度とないものの、一人のアーティストとして新たな道を模索し続けている。
AAAの魅力とは?
15年という長い活動期間の中で、AAAが多くのファンを魅了し続けた理由、その魅力について掘り下げてみよう。
ダンスと歌唱力の両立
AAAの最大の魅力の一つは、全メンバーが高いレベルのダンスと歌唱力を兼ね備えていることだ。
特にライブパフォーマンスでは、激しいダンスを踊りながらも息切れすることなく歌い切る姿は圧巻。プロの振付師もうなる高度な振り付けをマスターし、それでいて歌の表現力も失わないという、まさにパフォーマンスグループとしての理想形を体現している。
また、メドレー曲などでジャンルが変わっても、それぞれに合わせた表現力で魅せるという対応力の高さも特筆すべき点だ。
メンバーそれぞれの個性
AAAの魅力の一つは、メンバーそれぞれが強い個性を持ちながらも、グループとしての一体感を失わないバランスの良さにある。
西島の圧倒的な歌唱力、宇野の透明感ある声と表現力、日高の鋭いラップスキル、與の独創的なダンスと世界観、末吉の優しい歌声と親しみやすさ。これらの個性がひとつになることで、AAAならではの魅力が生まれている。
また、各メンバーのソロ活動も活発で、グループとは異なる魅力を発揮している点も、長く支持される理由の一つだろう。
男女混合グループならではのバランス
AAAは、日本の音楽シーンでは珍しい男女混合グループとして、独自のポジションを確立してきた。
男性メンバーのパワフルさと女性メンバーの柔らかさが融合することで、楽曲の表現の幅が広がり、様々なジャンルに挑戦することができた。特に恋愛をテーマにした楽曲では、男女それぞれの視点から歌うことができるという強みがあった。
また、振り付けにおいても男女の特性を活かした構成が多く、視覚的にも楽しめるパフォーマンスを生み出してきた。
メンバー同士の仲の良さが魅力
AAAのもう一つの魅力は、メンバー同士の仲の良さがステージや番組でも伝わってくることだ。
長年一緒に活動する中で培われた絆は、ライブでの呼吸の合った演奏やMCでの自然な掛け合いから感じられる。特に休止前のラストツアーでは、その絆の深さが随所に表れており、ファンの心を強く打った。
また、各メンバーが互いの個性を尊重し合い、高め合う関係性も、長く活動を続けられた秘訣だろう。
AAAの人気曲・代表曲紹介
AAAの15年の活動の中で生まれた数々の名曲から、特に人気の高い代表曲を紹介しよう。
恋音と雨空
2013年10月にリリースされた楽曲で、AAAの代表曲の一つとなっている「恋音と雨空」。切ない恋心を雨の情景と重ねて表現した歌詞と、キャッチーなメロディが多くのリスナーの心を掴んだ。
ミュージックビデオも、雨の中での叶わぬ恋を描いた映像美が話題となり、YouTubeでの再生回数も驚異的な数字を記録。特に西島と宇野の歌声の掛け合いが印象的な楽曲で、男女混合グループの強みが最大限に活かされている。
ライブでも定番曲となっており、ペンライトの光が雨のように会場を包み込む幻想的な光景は、AAA特有の美しい風景となっていた。
MAGIC
2015年2月にリリースされたアップテンポな楽曲「MAGIC」。メンバー全員が「魔法使い」に扮したミュージックビデオも話題となり、AAAの新たな魅力を引き出した一曲だ。
リズミカルな曲調と前向きなメッセージが詰まった歌詞は、聴く人を元気にする力を持っている。特に「Tomorrow's gonna be a better day」というフレーズは印象的で、多くのファンの心に残る言葉となった。
ライブではペンライトを使った振り付けもあり、会場全体が一体となる盛り上がりを見せる人気曲の一つだ。
Wake up!
2014年7月にリリースされた「Wake up!」は、タイトル通り「目覚めよう」という力強いメッセージを持った楽曲。エネルギッシュなダンスナンバーで、ライブでの盛り上がりも抜群だ。
特に日高のラップパートが楽曲の勢いを加速させる効果を持ち、彼の持ち味が存分に発揮された一曲とも言える。
アップテンポな曲調と前向きな歌詞は、多くのリスナーの背中を押す力となり、朝の目覚めソングとしても人気を博した。
虹
20012年10月にリリースされた「虹」は、AAAの初期の代表曲の一つ。グループ結成から4年目に発表されたこの曲は、彼らの成長が感じられる楽曲となっている。
壮大なメロディと希望に満ちた歌詞が特徴で、特にサビの盛り上がりは圧巻。メンバー全員の歌唱力が遺憾なく発揮された一曲で、ライブでの合唱シーンは感動的だ。
この曲を通じて「AAAらしさ」が明確になったという意見も多く、グループの代表曲として長く愛され続けている。
ハリケーン・リリ、ボストン・マリ
2006年11月にリリースされた「ハリケーン・リリ、ボストン・マリ」は、軽快なリズムと印象的なサビが特徴の楽曲。特に「リリリリー」というフレーズが一度聴いたら忘れられないキャッチーさを持っている。
ミュージックビデオでは、メンバー全員がカラフルな衣装で踊るシーンが印象的で、彼らの楽しげな表情も見どころの一つ。
この曲をきっかけにAAAのファンになったという人も多く、彼らの魅力を広めた重要な一曲と言えるだろう。
さよならの前に
2014年9月にリリースされた「さよならの前に」は、切ない別れの歌。繊細な歌詞と、メンバー全員の感情のこもった歌声が心に響く楽曲だ。
特に、サビへと続く展開が秀逸で、聴く人の感情を自然と高めていく構成は、AAAの楽曲の中でも特に評価が高い。
活動休止前のラストライブでも歌われ、その場面は多くのファンの涙を誘った。まさにグループの歴史と共に歩んできた楽曲の一つだ。
まとめ|AAAの魅力と今後の活動に注目!
2005年のデビューから2020年末の活動休止まで、15年という長い期間、日本の音楽シーンを彩り続けたAAA。男女混合グループという珍しい形態でありながら、その圧倒的なパフォーマンス力と多彩な魅力で、幅広い層のファンを魅了してきた。
デビュー当初から揺るぎない歌唱力とダンススキルを持ち、更には様々なジャンルの楽曲に果敢に挑戦し続けた彼らは、「Attack All Around」の名に恥じない活動を展開してきた。そして何より、メンバー同士の絆とファンへの感謝の気持ちを常に大切にしてきた姿勢が、多くの人々の心を掴んだのだろう。
現在は各メンバーがソロアーティストとして独自の道を歩みながらも、機会があれば「またいつか5人で」と口にする姿からは、AAAという場所への特別な思いが感じられる。
2025年のデビュー20周年は、宇野実彩子の妊娠もあり、再始動の可能性は低いとも言われているが、それでもファンの期待は尽きない。いつの日か、あの5人がまた同じステージに立ち、あの特別な空間を作り出す日が来ることを、多くのファンが心待ちにしている。
最後に、AAAの魅力は単なる音楽的な才能だけでなく、15年という長い活動の中で培われた「絆」にあるのかもしれない。メンバー同士の絆、そしてメンバーとファンとの絆。それが彼らの音楽とパフォーマンスを通じて伝わり、今もなお多くの人々の心に残り続けているのだ。
AAAという輝かしいグループの歴史は、活動休止という形で一旦幕を閉じたが、彼らが残した足跡と影響力は、これからも日本の音楽シーンに生き続けるだろう。