紅白歌合戦

【1962年/昭和37年】第13回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1962年12月31日に放送された第13回NHK紅白歌合戦は、昭和30年代の後半に入り、日本の音楽シーンがより多様化していく過程を色濃く映し出した回です。紅白歌合戦はすでに「大晦日は紅白を見るもの」という共通認識が国民の間に根付き、年末の風景として完全に定着していました。この年も、紅白の舞台にはその年を代表する歌手たちが集結し、流行歌から叙情的な歌謡曲まで、幅広い楽曲が披露されています。番組全体からは、紅白が単なる音楽番組を超え、日本の年末文化そのものになっていたことが強く感じられます。

第13回紅白歌合戦の概要

第13回NHK紅白歌合戦は1962年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に届けられました。番組の進行や構成はこの頃になると非常に安定しており、紅組・白組それぞれに分かれた歌手たちが順番に登場し、その年を象徴する楽曲を披露する形式が確立されています。長時間の生放送でありながら、視聴者が最後まで飽きずに楽しめる構成となっており、紅白歌合戦が完成度の高い年末特番として成熟期に入っていたことがうかがえます。この回の勝敗は白組の勝利となり、結果発表も含めて大晦日の話題のひとつとして、多くの家庭で語られていました。

第13回紅白歌合戦が開催された1962年の出来事

1962年の日本は、高度経済成長がさらに進み、人々の暮らしが目に見えて豊かになっていった時代でした。テレビや冷蔵庫、洗濯機といった家電製品が一般家庭に普及し、生活スタイルは大きく変化していきます。文化や娯楽に対する関心も高まり、音楽は日常生活の中で欠かせない存在となっていました。こうした背景の中で放送された紅白歌合戦は、一年を振り返りながら家族で同じ時間を共有できる特別な番組として、多くの人々に親しまれていました。1962年という年は、紅白歌合戦が社会の変化とともに歩み、国民の生活に深く根付いていった時代を象徴していると言えるでしょう。

第13回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第13回紅白歌合戦には、昭和歌謡を代表する人気歌手が数多く出演しました。紅組では美空ひばり、島倉千代子、江利チエミ、雪村いづみ、ペギー葉山、奈良光枝など、安定した人気と実力を兼ね備えた女性歌手たちが名を連ね、それぞれがその年を代表する楽曲を披露しています。紅組のステージは、情感豊かな歌唱や華やかな存在感が際立ち、番組全体を彩る重要な要素となっていました。

一方、白組には三橋美智也、春日八郎、フランク永井、藤山一郎、岡本敦郎、ディック・ミネといった昭和歌謡界を支え続けてきた男性歌手が出演し、力強さと哀愁を併せ持つ歌声で紅組に対抗しました。いずれの出演者も、その時代を代表する存在であり、紅白歌合戦が一年の音楽シーンを総括する場として機能していたことを改めて感じさせます。

第13回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第13回NHK紅白歌合戦(1962年) 出場歌手・曲目一覧

※第13回は1962年(昭和37年)12月31日に放送されました。

紅組歌手 紅組曲目 白組歌手 白組曲目
仲宗根美樹 川は流れる 松島アキラ あゝ青春に花よ咲け
大津美子 忘れないで 三浦洸一 別れては昨日の人ぞ
弘田三枝子 ヴァケーション 飯田久彦 ルイジアナ・ママ
中原美紗緒 フルフル 芦野宏 カミニート
ザ・ピーナッツ ふりむかないで ダーク・ダックス 山男の歌
美空ひばり ひばりの佐渡情話 春日八郎 風林火山の歌
中尾ミエ 可愛いベイビー 北原謙二 若い二人
松尾和子 昔の人 ジェリー藤尾 遠くへ行きたい
宮城まり子 ドレミの歌 守屋浩 大学かぞえうた
トリオこいさんず ジャンジャン横丁 ダニー飯田とパラダイス・キング グッドバイ・ジョー
坂本スミ子 エル・クンバンチェロ 旗照夫 私の青空
吉永小百合 寒い朝 坂本九 一人ぼっちの二人
朝丘雪路 島育ち 三波春夫 巨匠
江利チエミ 虹のかなたに 橋幸夫 いつでも夢を
及川三千代 愛と死のかたみ 佐川ミツオ 太陽に向かって
森山加代子 五ひきの仔ブタとチャールストン 平尾昌章 ツイストNo.1
スリー・グレイセス ストライク・アップ・ザ・バンド デューク・エイセス ドライ・ボーンズ
五月みどり おひまなら来てね 藤島桓夫 マドロス慕情
ペギー葉山 トゥナイト アイ・ジョージ ク・ル・ク・ク・パロマ
越路吹雪 新土佐節 森繁久彌 知床旅情
楠トシエ うかれ駒 植木等 ハイ・それまでョ
こまどり姉妹 未練ごころ 和田弘とマヒナスターズ 泣かせるね
松山恵子 おけさ悲しや 村田英雄 王将
西田佐知子 アカシアの雨がやむとき フランク永井 霧子のタンゴ
島倉千代子 さよならとさよなら 三橋美智也 星屑の街

特別企画・エピソード

出来事 内容
吉永小百合 初出場 映画「キューポラのある街」などで国民的女優となっていた吉永小百合が初出場し、「寒い朝」を歌唱しました。
「いつでも夢を」の大ヒット この年のレコード大賞を受賞した橋幸夫と吉永小百合のデュエット曲「いつでも夢を」が話題に。紅白では橋幸夫が白組からソロで出場しました(吉永は紅組で「寒い朝」を披露)。
植木等 初出場 「スーダラ節」などで大ブームを巻き起こしていた植木等が初出場し、「ハイ・それまでョ」を披露しました。

まとめ

第13回NHK紅白歌合戦は1962年の大晦日に放送され、紅白歌合戦が成熟期に入り、日本の年末文化として完全に定着していたことを示す回となりました。高度経済成長の中で生活が豊かになる一方、音楽は人々の心に寄り添う存在として重要な役割を果たしており、紅白歌合戦はその象徴とも言える番組でした。美空ひばりや三橋美智也をはじめとする昭和歌謡のスターたちが集ったこの第13回は、紅白歌合戦の歴史の中でも安定と充実を感じさせる一回として、今なお語り継がれる存在です。

Mr.Lyric 編集部

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