紅白歌合戦

【1975年/昭和50年】第26回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介!

1975年12月31日に放送された第26回NHK紅白歌合戦は、安定成長期へと移行した日本社会の空気を色濃く映し出した回です。高度経済成長の時代を経て、人々の暮らしは量的な豊かさから質的な豊かさへと価値観が移り変わりつつあり、音楽もまた生活の中で心を支える存在として受け止められるようになっていました。大晦日の夜に家族そろって紅白歌合戦を観るという風景は変わらず続き、紅白は「一年の終わりを実感させてくれる番組」として、世代を超えて親しまれていました。第26回は、そんな落ち着いた時代の中で行われた、成熟した紅白歌合戦と言える大会です。

第26回紅白歌合戦の概要

第26回NHK紅白歌合戦は1975年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に中継されました。番組の構成はすでに完成度が高く、紅組・白組に分かれた出場歌手が順番に登場し、その年を代表する楽曲を披露していく紅白ならではのスタイルが踏襲されています。派手さよりも安定感を重視した進行が印象的で、長時間の生放送でありながら、年末の落ち着いた雰囲気の中で最後まで楽しめる内容となっていました。この回の勝敗は白組の勝利となっており、結果発表も含めて、紅白歌合戦が恒例行事として深く定着していたことを感じさせます。

第26回紅白歌合戦が開催された1975年の出来事

1975年の日本は、オイルショック後の影響が落ち着き、社会全体が新たなバランスを模索していた時代でした。経済成長一辺倒ではなく、暮らしの質や心の充実が重視されるようになり、文化や娯楽の在り方にも変化が見られます。音楽の世界では、歌謡曲に加えてフォークやニューミュージックが広く浸透し、個人の感情や生き方を表現する楽曲が支持を集めていました。こうした背景の中で放送された紅白歌合戦は、変わりゆく時代の空気を受け止めながらも、一年を締めくくる安心できる場として、多くの人々に寄り添っていました。

第26回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

第26回NHK紅白歌合戦 出場歌手・曲目一覧

第26回NHK紅白歌合戦(1975年) 出場歌手・曲目一覧

※第26回は1975年(昭和50年)12月31日に放送されました。

紅組歌手 紅組曲目 白組歌手(優勝) 白組曲目
岩崎 宏美(初) ロマンス 細川 たかし(初) 心のこり
南 沙織 人恋しくて 郷 ひろみ 花のように鳥のように
藤 圭子 さすらい 堺 正章 明日の前に
キャンディーズ(初) 年下の男の子 ずうとるび(初) 初恋の絵日記
チェリッシュ ペパーミント・キャンディー 三善 英史 細雪
和田 アキ子 もっと自由に ダウン・タウン・ブギウギ・バンド(初) 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
桜田 淳子 はじめての出来事 西城 秀樹 白い教会
佐良 直美 オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ 殿さまキングス 女の純情
森 昌子 あなたを待って三年三月 にしきの あきら 赤い恋のバラード
水前寺 清子 大勝負 村田 英雄 無法松の一生
アグネス・チャン 愛の迷い子 フォーリーブス ハッピー・ピープル
青江 三奈 神戸北ホテル 内山田 洋とクール・ファイブ 中の島ブルース
伊東 ゆかり わたし女ですもの 菅原 洋一 愛の嵐
山口 百恵 夏ひらく青春 三橋 美智也 津軽じょんから節
西川 峰子(初) あなたにあげる 橋 幸夫 木曽ぶし三度笠
由紀 さおり 慕情 野口 五郎 私鉄沿線
森山 良子 歌ってよ夕陽の歌を 三波 春夫 おまんた囃子
小柳 ルミ子 花車 森 進一 あゝ人恋し
梓 みちよ リリー・マルレーン 沢田 研二 時の過ぎゆくままに
八代 亜紀 ともしび フランク 永井 君恋し
いしだ あゆみ 渚にて 春日 八郎 赤いランプの終列車
都 はるみ 北の宿から 北島 三郎 残雪
ちあき なおみ さだめ川 布施 明 シクラメンのかほり
島倉 千代子 悲しみの宿 五木 ひろし 千曲川

特別企画・エピソード

出来事 内容
ずうとるび・キャンディーズ初出場 当時人気絶頂だったアイドルグループ、ずうとるびとキャンディーズが初出場しました。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンド ツナギ姿での初出場。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」での特徴的な語り口調が話題となりました。

まとめ

第26回NHK紅白歌合戦は1975年の大晦日に放送され、安定成長期に入った日本社会の年末を象徴する大会となりました。社会の価値観が変化する中でも、紅白歌合戦は変わらず一年の締めくくりとして、多くの家庭に寄り添う存在であり続けていました。美空ひばりや森進一、五木ひろしをはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第26回は、紅白歌合戦が成熟した国民的番組として歩み続けていることを実感させる一回と言えるでしょう。

Mr.Lyric 編集部

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