【1987年/昭和62年】第38回 紅白歌合戦 出場アーティスト・演奏曲をまとめて紹介！

1987年12月31日に放送された第38回NHK紅白歌合戦は、昭和という時代が終盤に差しかかり、日本社会や音楽シーンが大きなうねりの中にあったことを強く感じさせる回です。1980年代後半に入り、流行の移り変わりはさらに加速し、音楽は若者文化の中心的存在として存在感を高めていました。その一方で、長く親しまれてきた歌謡曲や演歌も変わらず支持されており、世代ごとに異なる音楽が同時に息づく時代でもありました。そんな中、大晦日の夜に紅白歌合戦を観て一年を締めくくるという文化は揺るがず、第38回は「昭和の集大成」と「新しい時代の入口」を同時に感じさせる紅白歌合戦となっています。

第38回紅白歌合戦の概要

第38回NHK紅白歌合戦は1987年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に中継されました。番組構成はこれまでの紅白歌合戦の流れを踏襲し、紅組・白組に分かれた出場歌手が順番に登場して、その年を代表する楽曲を披露していく形式が採られています。30回を大きく超えた紅白は、進行や演出において極めて高い完成度を誇っており、長時間の生放送でありながらも、年末の時間帯に自然と溶け込む安定感のある番組となっていました。この回の勝敗は白組の勝利となっており、結果発表も含めて、年末の風物詩として多くの家庭で楽しまれていた様子がうかがえます。

第38回紅白歌合戦が開催された1987年の出来事

1987年の日本は、社会や経済が大きな転換点を迎えつつあった年です。国際化が進み、人々の価値観やライフスタイルはより多様になり、音楽やファッションは若者文化を象徴する存在として影響力を増していました。音楽シーンでは、アイドルやポップスが強い注目を集める一方で、演歌や歌謡曲も依然として根強い人気を保ち、世代ごとに異なる音楽が共存していました。こうした時代背景の中で放送された紅白歌合戦は、多様化する音楽文化を一つの舞台に集め、世代を超えて共有できる貴重な時間を提供する番組として、大きな役割を果たしていたと言えるでしょう。

第38回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧

まとめ

第38回NHK紅白歌合戦は1987年の大晦日に放送され、昭和の終盤における日本社会と音楽文化の多様性を色濃く映し出した大会となりました。音楽のジャンルや楽しみ方が大きく広がる中でも、紅白歌合戦は世代を超えて共有できる年末の象徴として、多くの家庭に寄り添い続けていました。美空ひばりや森進一、五木ひろしをはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第38回は、紅白歌合戦が「変わらない安心感」と「時代の変化」を同時に抱えながら歩み続けてきたことを、改めて実感させる一回と言えるでしょう。