2024年12月31日に放送された第75回NHK紅白歌合戦は、1951年に始まった紅白歌合戦が75回という大きな節目を迎えた、記念性の高い大会となりました。戦後間もない時代から続いてきた紅白歌合戦は、日本社会や音楽シーンの変化と常に歩みを共にし、その時代ごとの空気を年末の舞台に映し出してきました。令和の時代に入って数年が経ち、人々の暮らしや価値観が大きく揺れ動いた経験を経た今、第75回は「積み重ねてきた歴史」と「これから先の紅白」を同時に感じさせる特別な一夜となっています。
目次
第75回紅白歌合戦の概要
第75回NHK紅白歌合戦は2024年12月31日の大晦日に開催され、テレビとラジオの同時放送によって全国に届けられました。75回という大きな節目を迎えたこともあり、番組全体からは紅白歌合戦の歩んできた歴史を意識した落ち着きと重みが感じられます。紅組・白組に分かれた出場歌手が、その年を代表する楽曲を披露していく基本スタイルは変わらず、世代やジャンルを越えた音楽が一つの舞台に集いました。長年親しまれてきた紅白歌合戦らしさを大切にしながらも、現代の音楽シーンを反映した構成となっており、第75回は「今の紅白歌合戦」を素直に映し出した大会と言えるでしょう。
第75回紅白歌合戦が開催された2024年の出来事
2024年の日本は、社会や暮らしの中で「これからの当たり前」をより具体的に形づくっていく一年でした。数年間にわたる大きな変化を経て、人々は自分にとって心地よい働き方や暮らし方、人との距離感を改めて見つめ直すようになっています。音楽の世界でも、ヒット曲は配信やSNSを通じて自然に広がり、楽曲は生活の一部として日常に溶け込んでいました。一方で、演歌や歌謡曲は人生や人情を丁寧に描く音楽として変わらぬ支持を集め、世代を超えて聴き継がれています。こうした時代背景の中で放送された紅白歌合戦は、一年を振り返り、次の時代へ気持ちをつなぐための、象徴的な年末の時間となっていました。
第75回紅白歌合戦の出場アーティスト一覧
第75回NHK紅白歌合戦(2024年) 出場歌手・曲目一覧
※第75回は2024年(令和6年)12月31日に放送されました。
| 紅組歌手 | 紅組曲目 | 白組歌手(優勝) | 白組曲目 |
|---|---|---|---|
| ME:I(初) | Click | こっちのけんと(初) | はいよろこんで |
| 天童 よしみ | あんたの花道 | Omoinotake(初) | 幾億光年 |
| ILLIT(初) | Magnetic | Da-iCE(初) | I wonder |
| 緑黄色社会 | 僕らはいきものだから | 新浜 レオン(初) | 全てあげよう |
| 櫻坂46 | 自業自得 | JO1 | Love seeker |
| HY | 366日 | 山内 惠介 | 紅の蝶 |
| 乃木坂46 | きっかけ | 純烈 | 夢みた果実 |
| LE SSERAFIM | CRAZY -Japanese ver.- | BE:FIRST | Masterplan |
| tuki.(初) | 晩餐歌 | TOMORROW X TOGETHER(初) | 5時53分の空で見つけた君と [Japanese Ver.] |
| 水森 かおり | 鳥取砂丘~紅白ドミノチャレンジSP~ | 郷 ひろみ | 2億4千万の瞳 放送100年 GO!GO!SP |
| aiko | 相思相愛 | Creepy Nuts(初) | Bling-Bang-Bang-Born |
| 坂本 冬美 | 能登はいらんかいね | GLAY | 誘惑 |
| 椎名林檎ともも | ほぼ水の泡 | Vaundy | 踊り子 |
| Superfly | Beautiful | 星野 源 | ばらばら |
| TWICE | 「TT~Feel Special」スーパーメドレー | Number_i(初) | GOAT |
| あいみょん | 会いに行くのに | 藤井 風 | 満ちてゆく |
| イルカ | なごり雪 | 三山 ひろし | 恋…情念~第8回 けん玉世界記録への道~ |
| 西野 カナ | EYES ON YOU 紅白スペシャルメドレー | 南 こうせつ | 神田川 |
| 高橋 真梨子 | for you... | Mrs. GREEN APPLE | 青と夏~ライラック 紅白SP |
| 石川 さゆり | 能登半島 | THE ALFEE | 星空のディスタンス |
| MISIA | 紅白スペシャル2024 | 福山 雅治 | 「ひとみ~少年」“あなたへの歌” SPメドレー |
特別企画
| 企画名 | 内容 |
|---|---|
| 歌って踊ろう! KIDS SHOW |
ILLIT(IROHA MOKA)、Number_i、ME:I(KEIKO SHIZUKU)による「コンピューターおばあちゃん」。 有吉 弘行、橋本 環奈、伊藤 沙莉による「だんご3兄弟」。 MISIA「ビューティフル・ネーム」。 |
| ディズニーファンタジーメドレー |
Da-iCE & ME:I(MOMONA, RAN, COCORO, MIU, SUZU)「きみもとべるよ!」。 乃木坂46「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」。 大森 元貴(Mrs. GREEN APPLE) & SAKURA(LE SSERAFIM)「輝く未来」。 |
| B'z 特別企画 | 「イルミネーション」「LOVE PHANTOM」「ultra soul」を披露。 |
| 追悼・西田敏行さん | 竹下 景子、武田 鉄矢、田中 健、松崎 しげるによる「もしもピアノが弾けたなら」。 |
| 特別企画独唱 |
氷川 きよし「白雲の城」。 米津 玄師「さよーならまたいつか!」。 玉置 浩二「悲しみにさよなら」。 |
まとめ
第75回NHK紅白歌合戦は2024年の大晦日に放送され、75回という長い歴史の節目を刻んだ記念すべき大会となりました。時代や社会、音楽の在り方が大きく変化してきた中でも、紅白歌合戦は常に年末の中心にあり続け、人々が一年を振り返るための時間を提供してきました。森進一、五木ひろし、北島三郎をはじめとする時代を代表する歌手たちが集結したこの第75回は、紅白歌合戦が「これまでの歴史を背負いながら、これから先も続いていく年末の風景」であることを、改めて強く印象づける一回と言えるでしょう。