TUBE(チューブ)のメンバーや代表曲を紹介

TUBE

太陽、海、青空、そして爽快なサウンド——。夏と言えばTUBE。そんな印象を持つ人も多いのではないでしょうか。1985年の結成以来、「サマードリーム」「シーズン・イン・ザ・サン」「あー夏休み」など数々の夏の名曲を世に送り出し、日本の音楽シーンに”サマーソング”という一大ジャンルを確立したロックバンド、TUBE(チューブ)。彼らの長年にわたる活躍の裏には、4人のメンバーそれぞれの個性と才能、そして固い絆があります。この記事では、TUBEのメンバー紹介とともに、彼らの音楽活動の歩みを振り返ります。

はじめに

TUBE(チューブ)は、前田亘輝(ボーカル)、春畑道哉(ギター)、角野秀行(ベース)、松本玲二(ドラム)の4人からなる日本のロックバンドです。1985年に結成され、1989年にメジャーデビュー。”夏”をテーマにした爽やかなメロディと親しみやすい歌詞、そして豪快かつテクニカルな演奏が特徴の、日本を代表するサマーバンドとして知られています。

彼らの音楽は単なる季節ソングの域を超え、青春の輝きや人生の前向きさを歌った楽曲も多く、幅広い世代から支持されています。また、毎年夏に行われる野外ライブは伝統となり、全国各地の海辺のステージで多くのファンを魅了し続けています。

デビューから30年以上経った今も第一線で活躍を続け、日本の音楽史に残る重要なバンドとして高く評価されています。そんなTUBEのメンバーとバンドの歴史を詳しく見ていきましょう。

グループの歴史

結成と初期活動

TUBEの結成は1985年にさかのぼります。大学の軽音楽部で出会った前田亘輝と春畑道哉が中心となり、角野秀行、そして松本玲二を加えた4人体制でバンドを結成しました。当初は「THE TUBE」という名前で活動し、米国のロックバンド「The Tubes」との混同を避けるため、後に「TUBE」と改名しています。

バンド名の「TUBE」には、サーフィンの波の中を通る「チューブ」や、テレビの「ブラウン管(tube)」、そして音楽の「録音テープ」など、様々な意味が込められていると言われています。

結成後は都内のライブハウスを中心に地道な活動を続け、オリジナル曲の制作とパフォーマンスを磨いていきました。この時期、すでに後の代表曲となる「シーズン・イン・ザ・サン」の原型も作られていたと言われています。

1988年、彼らは大手レコード会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの目に留まり、契約を勝ち取ります。そして1989年5月1日、シングル「ベストセラーサマー」でメジャーデビューを果たしました。夏をテーマにしたこの曲は、彼らのその後の方向性を象徴するような作品でした。

ブレイクと人気絶頂期

メジャーデビュー後、TUBEの人気は徐々に高まっていきましたが、真の意味でのブレイクとなったのは1990年にリリースされた「シーズン・イン・ザ・サン」です。この曲は、爽やかなメロディと前向きな歌詞、そして印象的なサビが特徴で、オリコン週間チャートで最高3位を記録する大ヒットとなりました。

続く「サマードリーム」(1991年)、「あー夏休み」(1990年)など、夏をテーマにした楽曲が次々とヒットし、TUBEは「夏の王者」として不動の地位を確立します。この頃から、TUBEの楽曲は単なる季節ソングを超え、「夏の青春ソング」「アクティブに生きる喜びを歌ったソング」として、深い共感を呼ぶようになりました。

1992年から始まった毎年恒例の夏の野外ライブツアー「TUBE LIVE AROUND SPECIAL」は、全国の海辺や野外会場で行われ、TUBEの夏の風物詩として定着。ライブでの熱いパフォーマンスと観客との一体感は、彼らの大きな魅力となっています。

変遷と進化

1990年代後半から2000年代にかけて、日本の音楽シーンは大きく変化し、J-POPの台頭やロックバンドのスタイルの多様化が進みました。そんな中でもTUBEは、自分たちのスタイルを守りながらも、音楽性に幅を持たせる努力を続けています。

ボサノバやレゲエなど様々な音楽ジャンルの要素を取り入れた楽曲や、夏以外のテーマを扱った曲も増え、バンドとしての深みと広がりを見せました。また、前田亘輝と春畑道哉によるソロ活動や作詞作曲活動も活発化し、バンドとしての活動と個人の活動を両立させる形でキャリアを積み重ねていきました。

2015年にはデビュー30周年を迎え、記念アルバムや全国ツアーを成功させ、長寿バンドとしての底力を見せつけました。また2019年には、結成35周年、メジャーデビュー30周年を記念したアルバム「35年で35曲 “愛と夢”〜僕らのJourney〜」をリリース。長いキャリアの中で培われた実力と、変わらぬ音楽への情熱を示しました。

メンバー紹介

前田亘輝(まえだ のぶてる)

  • 生年月日: 1964年2月8日
  • 出身地: 神奈川県横浜市
  • 担当: ボーカル、作詞

TUBEのボーカリストとして、その伸びやかで力強い歌声でバンドのサウンドを支える前田亘輝。彼の歌声は、夏の青空のように爽やかで、時に夕陽のように情熱的です。ボーカリストとしての実力はもちろん、作詞家としての才能も持ち合わせ、多くのTUBEの名曲の歌詞を手がけています。

幼い頃からスポーツ万能で、特にサーフィンやスキー、スノーボードなどのアウトドアスポーツを得意としています。この経験が、TUBEの「アクティブで爽やか」なイメージ形成に大きく貢献しています。大学在学中に春畑道哉と出会い、意気投合してバンド結成に至りました。

バンド活動の傍ら、ソロアーティストとしても活動しており、「恋をしようよ」「いつも心に太陽を」などのヒット曲をリリース。ソロ活動では、バンドとはまた違った音楽性を発揮し、シンガーソングライターとしての一面も見せています。

また、その爽やかなルックスと親しみやすい人柄で、テレビやラジオ番組にも多数出演。TUBEのフロントマンとして、バンドの顔としての役割も果たしています。

春畑道哉(はるはた みちや)

  • 生年月日: 1964年5月15日
  • 出身地: 神奈川県藤沢市
  • 担当: ギター、作曲

TUBEの音楽的中心人物であり、ほとんどの楽曲の作曲を担当する春畑道哉。テクニカルで情感豊かなギタープレイは、TUBEの音楽の大きな特徴となっています。特にソロギターでの表現力は素晴らしく、夏の海の様々な表情を音で描き出す力を持っています。

子供の頃からギターに親しみ、高校時代にはすでにプロレベルの技術を持っていたと言われています。大学では軽音楽部に所属し、そこで前田亘輝と出会います。音楽的な才能と明確なビジョンを持っていた春畑は、バンド結成の中心的役割を果たしました。

作曲家としての才能も抜群で、TUBEの代表曲はほぼすべて春畑の作曲によるもの。シンプルながらも印象的なメロディと、サーフミュージックの影響を受けたギターサウンドで、TUBEの音楽的アイデンティティを確立しました。

ソロギタリストとしても活躍し、インストゥルメンタルアルバムをリリースするなど、多方面で才能を発揮。また、他のアーティストへの楽曲提供や、CMや映画音楽の制作も手がけ、作曲家としての幅広い活動も展開しています。

角野秀行(すみの ひでゆき)

  • 生年月日: 1964年3月29日
  • 出身地: 神奈川県
  • 担当: ベース

TUBEのベーシストとして、グルーヴ感のあるベースラインでバンドのリズムセクションを支える角野秀行。安定感のあるプレイスタイルと、時に前面に出る力強いベースソロが特徴です。

大学時代に前田、春畑と出会い、TUBEの結成メンバーの一人となりました。テクニックと音楽性を兼ね備えたベーシストとして、TUBEのサウンドの基盤を築いています。特に、リズム隊の一員としてドラマーの松本とのアンサンブルは、TUBEの楽曲の躍動感を生み出す重要な要素となっています。

おっとりとした性格で、バンド内では「癒し系」的な存在。しかし、音楽に対する情熱と探究心は人一倍強く、常に新しいサウンドやテクニックを追求し続けています。

また、プライベートでもサーフィンやマリンスポーツを楽しむなど、TUBEの「海」「夏」というイメージにぴったりの人物でもあります。

松本玲二(まつもと れいじ)

  • 生年月日: 1964年10月12日
  • 出身地: 神奈川県藤沢市
  • 担当: ドラム

TUBEのドラマーとして、力強くもきめ細やかなドラミングでバンドのリズムを支える松本玲二。彼のプレイスタイルは、ロックの疾走感とポップスの親しみやすさを兼ね備え、TUBEのサマーチューンに最適のビートを生み出しています。

他のメンバーと同様に大学の軽音楽部出身で、結成時からのメンバーです。技術的にも高い評価を受けており、特にライブでの安定感のあるパフォーマンスはバンドの屋台骨を支える重要な要素となっています。

バンド内では明るく社交的な性格で、時にムードメーカー的な役割も。また、音楽以外の活動にも積極的で、バンドのプロモーションや企画にも関わっています。

また、ドラムを叩きながらも歌えるマルチな才能の持ち主で、ライブではバックコーラスも担当。4人の息の合ったコーラスワークも、TUBEの音楽の魅力の一つとなっています。

音楽スタイルと特徴

TUBEの音楽スタイルを一言で表すなら、「爽快感あふれるサマーロック」でしょう。彼らの楽曲は、西海岸ロックやサーフミュージックの影響を強く受けながらも、日本的な親しみやすさとポップ感覚を取り入れた独自のスタイルを確立しています。

彼らの音楽の主な特徴として、以下の点が挙げられます:

サマーチューンの王道

TUBEといえば何と言っても「夏」。青い海、輝く太陽、白い砂浜をイメージさせる爽やかなメロディと前向きな歌詞は、彼らの代名詞とも言えます。「シーズン・イン・ザ・サン」「サマードリーム」「あー夏休み」といった代表曲は、日本のサマーソングの定番となっています。

高い演奏技術

TUBEのメンバーは全員が演奏技術に優れており、特に春畑のギターテクニックは高く評価されています。また、前田の伸びやかな歌声、角野のグルーヴィなベースライン、松本の安定したドラミングが融合し、ライブでも再現性の高い完成度の高いサウンドを生み出しています。

親しみやすい歌詞と力強いメロディ

前田亘輝の歌詞は、青春や恋愛、友情、人生の喜びなど普遍的なテーマを扱いながらも、どこか親しみやすく、聴く人の心に直接届くような力があります。また、春畑道哉が手掛けるメロディは、シンプルながらも印象に残り、ついつい口ずさみたくなるような魅力を持っています。

豪華な野外ライブ

TUBEの音楽は、スタジオ録音だけでなく、野外ライブでの演奏も大きな魅力です。特に夏に行われる「TUBE LIVE AROUND SPECIAL」は、海や湖、山などの自然の中で行われ、彼らの音楽がより一層映える環境で展開されます。壮大なステージセットとダイナミックなパフォーマンスは、多くのファンを魅了する要素となっています。

代表曲

「シーズン・イン・ザ・サン」(1990年)

シーズン・イン・ザ・サン TUBE チューブ

TUBEの代表曲であり、彼らを一躍スターダムに押し上げた名曲。爽やかなギターイントロから始まり、前田の伸びやかな歌声が夏の開放感を見事に表現しています。「太陽のSeason 輝きだした夏 はじまる予感」という歌詞が象徴するように、夏の始まりを告げる楽曲として多くの人に愛されています。

「サマードリーム」(1991年)

夏の終わりの切ない恋心を歌った楽曲で、TUBEの「夏ソング三部作」の一つとされています。メロディアスなサビが特徴で、ライブでは観客全員で歌う定番曲となっています。バラード調の楽曲ながらも、どこかポジティブな余韻を残す曲調は、TUBEならではの魅力です。

「あー夏休み」(1990年)

あー夏休み TUBE チューブ

タイトルそのままに、夏休みの解放感と喜びを歌った楽曲。明るくアップテンポな曲調と、誰もが共感できる「夏休み万歳」というシンプルな主題が魅力です。特にサビの「あー夏休み」というフレーズは、夏の風物詩として広く親しまれています。

まとめ

1985年の結成から今日まで、日本の音楽シーンで独自の位置を築き上げてきたTUBE。前田亘輝、春畑道哉、角野秀行、松本玲二の4人は、単に「夏の歌」を歌うバンドではなく、日本のポップカルチャーに「夏」という季節感と「青春」という普遍的テーマを結びつけた先駆者とも言えるでしょう。

彼らの音楽は、時代が変わっても色あせることなく、毎年夏になると多くの人々の心に響き続けています。それは、彼らの楽曲が単なる季節ソングではなく、人生の輝かしい瞬間や、前向きに生きる勇気、そして大切な思い出などの普遍的な価値を歌い上げているからこそでしょう。

また、結成から30年以上経った今も、オリジナルメンバーで活動を続けているという事実は、4人の固い絆と音楽への情熱を物語っています。これからも、TUBEは日本の夏を彩る存在として、多くの人々に愛され続けることでしょう。

彼らが奏でる爽やかな音楽は、これからも私たちの「夏」を、そして「人生」を、より豊かで輝かしいものにしてくれるはずです。

感想はこちらから

タイトルとURLをコピーしました