複雑なコード進行と独特の世界観で多くのリスナーを魅了する「凛として時雨」。彼らの音楽は、ロック、オルタナティブ、プログレッシブなど様々なジャンルを横断しながらも、どこか唯一無二の存在感を放っています。攻撃的でありながらも繊細、激しくも美しいサウンドを生み出す彼らの魅力は一体どこにあるのでしょうか。今回は、凛として時雨のバンド結成から現在に至るまでの歴史と、各メンバーのプロフィールを徹底解剖していきます。
凛として時雨とは?
バンドの結成と歴史
凛として時雨は、2002年に埼玉県で結成されたロックバンドです。バンドの始まりは、TK(北嶋徹)と345(中村美代子)が東洋大学時代に結成した遊びのバンドでした。当時は単なるコピーバンドから始まり、オリジナル曲も演奏していましたが、他のメンバーが就職したことでそのバンドは自然消滅してしまいます。
しかし、音楽への情熱を捨てきれなかったTKと345は、新たにドラマーを募集し、「凛として時雨」として再スタートを切りました。バンド名は「凛」と「時雨」という一見相反するようなイメージの言葉を組み合わせたものであり、彼らの音楽性を象徴するような名前となっています。
結成から2年後の2004年には、ドラマーが交代し、現在のドラマーであるピエール中野(中野正敏)が加入。この3人体制で現在も活動を続けています。メジャーデビュー後も独自の音楽性を貫き、アニメのタイアップや映画の主題歌なども手がけながら、着実にファンを増やしてきました。
音楽性と特徴
凛として時雨の音楽は、一言で表現することが難しい複雑さと独創性を持っています。彼らの楽曲には、攻撃的なギターリフと複雑な曲展開、そして男女ツインボーカルによるメロディアスな部分が融合しています。
特に注目すべきは、TKのギターテクニックと独特の歌声、345のベースとボーカルの調和、ピエール中野の正確かつダイナミックなドラミングです。これら三者が絶妙なバランスで融合することで、凛として時雨ならではの音世界が生まれています。
また、彼らの楽曲には独特の緊張感と解放感が同居しており、聴く者を引き込む強いメッセージ性があります。歌詞も抽象的かつ詩的で、多くのリスナーがそれぞれの解釈で楽曲を楽しめる奥深さがあります。
メンバー紹介
TK(北嶋 徹)のプロフィールと経歴
凛として時雨の中心人物であるTK(北嶋徹)は、ギターとボーカルを担当しています。生年月日は非公開ですが、埼玉県出身であることが知られています。
TKは独特のギタープレイと高音域を活かした歌声で、バンドのサウンドを牽引しています。彼のギタープレイは複雑なフレーズとテクニックに裏打ちされた独創性が特徴で、多くのギタリストからリスペクトされています。
また、凛として時雨の活動と並行して、「TK from 凛として時雨」としてソロ活動も展開。アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」のオープニングテーマ「異邦人」や「東京喰種トーキョーグール」のオープニングテーマ「unravel」など、ソロでも数々のヒット曲を生み出しています。
TKの音楽への姿勢は真摯そのもので、完璧主義者としても知られています。楽曲の細部にまでこだわり抜く姿勢が、凛として時雨の高いクオリティを支えていると言えるでしょう。
345(中村 美代子)のプロフィールと経歴
345(中村美代子)は、凛として時雨の結成メンバーの一人であり、ベースとボーカルを担当しています。彼女も生年月日は非公開ですが、TKと同じく埼玉県出身です。
345の特徴は、テクニカルかつメロディアスなベースプレイと、TKの声と絶妙に絡み合うボーカルにあります。特に女性ベーシストとしての技術の高さは、多くのミュージシャンからも評価されています。
彼女は幼少期から音楽に親しんでおり、その音楽的素養がバンドの楽曲に深みを与えています。TKと共に凛として時雨の楽曲制作の中心を担っており、彼女のベースラインとコーラスワークが楽曲の土台を形成しています。
345は控えめな性格ながらも、ステージ上では力強いパフォーマンスを見せる一面も。この「凛」とした佇まいが、バンド名の由来にもなっているとも言われています。
ピエール中野(中野 正敏)のプロフィールと経歴
ピエール中野(本名:中野正敏)は、1980年7月18日生まれ、埼玉県越谷市出身のドラマーです。2004年に凛として時雨に加入し、バンドの音楽性を大きく発展させる原動力となりました。
彼のドラムプレイは、豪快さと繊細さを兼ね備えた高度なテクニックが特徴です。複雑なリズムパターンやポリリズムを駆使したプレイは、凛として時雨の複雑な曲展開を支える重要な要素となっています。
また、ピエール中野はバンド活動以外にも、星野源やGLAYなど様々なアーティストのレコーディングやライブサポートにも参加。その実力の高さは音楽業界でも広く認められており、日本を代表するドラマーの一人として評価されています。
彼はSNSでの発信も積極的で、ドラム講座や音楽に関するエッセイなども執筆。ミュージシャンとしてだけでなく、音楽教育者としての一面も持ち合わせています。
凛として時雨の使用機材と楽曲制作の秘密
凛として時雨の独特なサウンドは、メンバーそれぞれの使用機材にも秘密があります。TKは独自のギターサウンドを追求し、カスタムギターやエフェクターを駆使。345はパワフルかつ精密なベースサウンドを生み出すため、複数のベースを使い分けています。ピエール中野も自身の演奏スタイルに合わせたドラムセットを構築し、独自のサウンドを確立しています。
楽曲制作においては、TKが中心となって楽曲の骨格を作り、345とピエールがそれぞれのアイデアを持ち寄る形が多いようです。しかし単なる分業ではなく、三者が密にコミュニケーションを取りながら、楽曲を完成させていくプロセスがあります。
この緻密な制作過程と各メンバーの高い技術力の融合が、凛として時雨の他には真似できない音楽性を生み出しているのです。
まとめ
2002年の結成から20年以上、独自の音楽性を追求し続ける凛として時雨。TK、345、ピエール中野という三者三様の個性が融合することで生まれる彼らの音楽は、日本のロックシーンにおいて唯一無二の存在感を放っています。
複雑で難解とも評される彼らの音楽ですが、その根底には「自分たちにしか作れない音楽を追求する」という真摯な姿勢があります。これからも独自の道を突き進む彼らの活動から、目が離せません。
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