サザンオールスターズ メンバーから代表曲まで徹底解説

サザンオールスターズ

「勝手にシンドバッド」「TSUNAMI」「真夏の果実」など、数々の名曲で日本の音楽シーンを彩り続けてきたサザンオールスターズ。1978年のデビュー以来、日本を代表するロックバンドとして多くの人々の心に寄り添ってきました。今なお第一線で活躍し続ける彼らの魅力はどこにあるのでしょうか。本記事では、サザンオールスターズの結成秘話からメンバー一人ひとりの詳細なプロフィール、そして名曲の数々まで徹底解説します。

サザンオールスターズとは

バンドの結成と歴史

サザンオールスターズの物語は、1975年、青山学院大学の音楽サークル「Better Days」で始まりました。当時大学生だった桑田佳祐、原由子、関口和之、松田弘らが集まり、バンド活動をスタート。キャンパス内のイベントや地元のライブハウスで演奏を重ねていました。

転機が訪れたのは1977年。ヤマハ主催のイーストウエスト(EastWest)コンテストに参加した彼らは、桑田佳祐がベストボーカル賞を受賞。この功績が認められ、翌1978年に「勝手にシンドバッド」でメジャーデビューを果たします。

デビュー当初は放送禁止処分を受けるなど波乱の幕開けでしたが、その独自の世界観と音楽性が次第に評価され、1979年には「いとしのエリー」が大ヒット。以降、「チャコの海岸物語」「真夏の果実」など、時代を彩る名曲を次々と生み出していきました。

1980年代から1990年代にかけて、日本の音楽シーンをリードする存在となり、2000年代に入ってからも「TSUNAMI」などのヒット曲を送り出し続けています。結成から45年以上が経った今も、その人気と実力は衰えることを知りません。

バンド名の由来と意味

「サザンオールスターズ」という特徴的なバンド名には、どのような由来があるのでしょうか。

この名前は、桑田佳祐が好きだった「サザン・ロック」(アメリカ南部発祥のロック音楽)と、当時来日していた「ファニア・オールスターズ」(アメリカのファンク・バンド)からインスピレーションを受けて生まれました。実はバンド名の名付け親は桑田佳祐自身ではなく、彼の友人である宮治淳一だったというエピソードも。

「サザン」という言葉には「南」という意味があり、バンドの出身地である湘南をイメージさせる意味合いも込められています。また「オールスターズ」には、メンバー全員が主役級の実力者であるという自負も表現されているのでしょう。

このように、サザンオールスターズという名前には、彼らの音楽的ルーツや地元への愛着、そしてバンドとしての誇りが凝縮されているのです。

サザンオールスターズの名曲

代表的なヒット曲一覧

サザンオールスターズは、デビューから現在まで数多くのヒット曲を世に送り出してきました。代表的な楽曲を以下にご紹介します。

  • 勝手にシンドバッド(1978年)
  • いとしのエリー(1979年)
  • チャコの海岸物語(1980年)
  • 匂いのない花(1982年)
  • ミス・ブランニュー・デイ(1984年)
  • 真夏の果実(1990年)
  • TSUNAMI(2000年)
  • 愛の言霊〜Spiritual Message(1996年)
  • 涙のキッス(1981年)
  • DIRTY OLD MAN〜さらば夏よ〜(1998年)
  • BLUE HEAVEN(2008年)
  • 東京VICTORY(2015年)

これらの楽曲は、単なるヒットソングにとどまらず、日本の音楽史に残る名曲として今なお多くの人々に愛され続けています。

各曲の解説とエピソード

サザンオールスターズの代表曲には、それぞれ興味深いエピソードが隠されています。いくつかの名曲について詳しく見ていきましょう。

勝手にシンドバッド(1978年): サザンオールスターズのデビュー曲。軽快なリズムと斬新な歌詞が特徴的で、「おっぱい」という単語が含まれていたため一部で放送禁止となりました。しかし、この「禁断の果実」的な話題性も相まって、彼らの名前は一気に世間に知れ渡ることとなります。

いとしのエリー(1979年): サザンの代表曲の一つであり、桑田佳祐と原由子の愛の物語をモチーフにしていると言われています。美しいメロディラインと切ない歌詞が多くの人の心を掴み、今なお多くのアーティストにカバーされる名バラードです。

チャコの海岸物語(1980年): 湘南を舞台にした青春ラブソング。「チャコ」とは桑田佳祐が飼っていた犬の名前だと言われており、この曲によって彼らの「湘南バンド」としてのイメージが確立されました。

真夏の果実(1990年): 映画「稲村ジェーン」の主題歌として書き下ろされた楽曲。桑田佳祐自身が脚本・主演を務めた同映画とともに大きな話題となりました。夏の切なさと儚さを表現した名曲として、今も夏の季節になると必ず流れる定番ソングです。

TSUNAMI(2000年): 2000年にリリースされた楽曲で、同年の日本レコード大賞を受賞。阪神・淡路大震災や東日本大震災の後には、被災地への応援ソングとしても広く歌われました。力強いメロディと希望を感じさせる歌詞が多くの人々の心を支えています。

愛の言霊〜Spiritual Message(1996年): 「言霊」(ことだま)という日本古来の概念を取り入れた楽曲。「言葉には魂が宿る」という思想を元に、愛の言葉の持つ力を歌い上げています。壮大なアレンジと桑田佳祐の情感豊かな歌声が印象的な一曲です。

これらの楽曲は、単に流行した「ヒット曲」という枠を超え、日本の音楽文化の一部として深く根付いています。サザンオールスターズの楽曲が持つ普遍的な魅力は、世代を超えて多くの人々の心に響き続けているのです。

メンバー紹介

桑田佳祐(ボーカル・ギター)

  • 生年月日:1956年2月26日
  • 出身地:神奈川県茅ヶ崎市
  • 役割:ボーカル、ギター、作詞作曲

サザンオールスターズの顔とも言える桑田佳祐は、バンドの中心的存在として多くのヒット曲を生み出してきました。その特徴的な歌声と卓越した作詞作曲能力で、日本の音楽シーンに大きな影響を与え続けています。

青山学院大学在学中にバンドを結成し、当初から卓越した才能を発揮。歌手としてだけでなく、作詞家、作曲家、音楽プロデューサーとしても高い評価を受けています。また、桑田佳祐のソロ活動も非常に充実しており、「明日晴れるかな」「波乗りジョニー」などのヒット曲を送り出しています。

2003年には喉頭ガンを患いましたが、見事に復活。その後も精力的な音楽活動を続け、2021年には還暦を超えてなお第一線で活躍を続けています。弾き語りライブ「SMILE〜ウクレレと一緒に〜」や全国ツアーなど、精力的な活動で多くのファンを魅了し続けています。

桑田佳祐は単なるミュージシャンにとどまらず、日本の音楽文化そのものに大きな影響を与えた存在と言えるでしょう。

関口和之(ベース)

  • 生年月日:1955年12月21日
  • 出身地:新潟県
  • 役割:ベース

関口和之はサザンオールスターズの縁の下の力持ち的存在。安定したベースプレイでバンドのサウンドを支え続けています。

青山学院大学のサークル「Better Days」でバンド結成に参加し、以来40年以上にわたってサザンの一員として活躍。その安定感のあるプレイスタイルはバンドの音楽の基盤となっています。

関口はベーシストとしての活動だけでなく、近年ではウクレレ奏者としての一面も。桑田佳祐のソロツアーにウクレレ奏者として参加するなど、多彩な才能を発揮しています。特に「波乗りジョニー」など、ハワイアンテイストの楽曲でその腕前を披露することも。

温厚な性格で知られる関口は、バンド内では調整役的な役割も担っているとも言われています。

松田弘(ドラムス)

  • 生年月日:1956年4月4日
  • 出身地:宮崎県
  • 役割:ドラムス、コーラス

松田弘はサザンオールスターズの初期メンバーの一人であり、その正確無比なドラミングでバンドのグルーヴを支え続けています。

青山学院大学在学中にバンドに参加し、以来40年以上にわたってドラムスを担当。彼の特徴は、力強さと繊細さを兼ね備えたプレイスタイルにあります。また、高音域のコーラスも担当しており、桑田佳祐の歌声に華を添えています。

松田のドラミングは、単に曲のテンポを刻むだけではなく、その楽曲の雰囲気や感情を表現する重要な要素となっています。特にライブパフォーマンスでは、その安定感と表現力の高さが際立ちます。

また、松田はプライベートでは美術品収集に熱心であり、特に和傘に造詣が深いという一面も持っています。

原由子(キーボード・ボーカル)

  • 生年月日:1956年12月11日
  • 出身地:神奈川県横浜市
  • 役割:キーボード、ボーカル

原由子はサザンオールスターズ唯一の女性メンバーであり、その繊細なキーボードプレイとバックコーラスでバンドの音楽に彩りを添えています。

青山学院大学在学中に桑田佳祐らとバンドを結成。1982年には桑田佳祐と結婚し、以来バンドの活動と並行して家庭も大切にしてきました。

原のキーボードプレイは、クラシックの素養も感じさせる繊細なタッチが特徴。サザンの楽曲の多彩な音色を支える重要な役割を担っています。また、バックコーラスやハーモニーも担当しており、桑田佳祐の歌声を優しく包み込む存在として欠かせません。

ソロ活動も行っており、1984年には「南風」でソロデビュー。「夏の幻」「恋は思案のほか」など、サザンとは一味違った繊細な楽曲も発表しています。また、ピアニストとしての腕前も高く評価されています。

バンド活動の中では比較的控えめな印象の原ですが、その音楽センスとサザンへの貢献度は計り知れません。

野沢秀行(パーカッション)

  • 生年月日:1954年10月19日
  • 出身地:東京都
  • 役割:パーカッション

野沢秀行は1982年にサザンオールスターズに加入したパーカッショニスト。プロとしての豊富な経験と高い技術力でバンドのサウンドに華やかさを加えています。

野沢は青山学院大学出身の他のメンバーとは異なり、すでにプロミュージシャンとしての経験を積んだ後にバンドに加入しました。そのため、加入当初からその高い演奏技術で他のメンバーを驚かせたといいます。

コンガやボンゴ、タンバリンなど様々なパーカッション楽器を自在に操り、サザンの音楽にラテンの風を吹き込む存在として重要な役割を果たしています。特に「TSUNAMI」や「愛の言霊」など、壮大なアレンジの楽曲では、彼の多彩なパーカッションワークが楽曲の厚みを増しています。

また、野沢はライブパフォーマンスでも高いエネルギーを放ち、会場の雰囲気を盛り上げる名脇役として欠かせない存在です。

脱退メンバー

大森隆志(ギター)

サザンオールスターズの結成初期にギタリストとして活動していた大森隆志。彼はバンド結成当初からのメンバーでしたが、その後脱退しています。

大森はサザンがデビューする前の、いわゆる”アマチュア時代”からのメンバーでした。青山学院大学の音楽サークル「Better Days」での活動を経て、バンド結成初期には重要な役割を担っていました。

しかし、バンドがプロとしての道を歩み始める段階で、大森は進路を別にすることを選択。その後は音楽活動から離れ、一般企業に就職したと言われています。

大森の脱退後、サザンオールスターズはギタリストを正式メンバーとして迎えることなく、主に桑田佳祐がギターも担当する形で活動を続けています。ライブやレコーディングでは、サポートギタリストの協力を得ながら、独自のサウンドを作り上げていきました。

大森隆志は、公式には「初期メンバー」としての記録が残るのみで、詳細な活動やその後の消息についての公式情報は限られています。しかし、サザンオールスターズという日本を代表するバンドの黎明期を支えた人物として、その名前は記憶されるべきでしょう。

サポートメンバー

サポートメンバー一覧

サザンオールスターズは正規メンバー5人の他に、ライブやレコーディングで多くのサポートメンバーを迎えてきました。彼らの存在はバンドのサウンドを豊かにする上で欠かせないものとなっています。

主なサポートメンバーとしては、以下のような演奏者が挙げられます(時期によって変動があります):

  • ギターサポート:多数のギタリストが担当(詳細は公式発表がありません)
  • キーボードサポート:数名のキーボーディストが時期により加入
  • ホーンセクション(サックス、トランペットなど):複数のプレイヤーが参加
  • コーラス:女性コーラスグループなどが参加

これらのサポートメンバーは、特に大規模なツアーやスタジアムコンサートでその重要性を増します。サザンの壮大なサウンドを支える縁の下の力持ちとして、多くのミュージシャンがその一翼を担ってきました。

各メンバーの役割と経歴

サポートメンバーの詳細な情報は公式には明らかにされていない部分が多いものの、彼らはそれぞれ重要な役割を果たしています。

ギターサポート: 桑田佳祐がボーカルに専念する楽曲では、サポートギタリストが重要な役割を果たします。ソロギターやリズムギターを担当し、サザンの楽曲の多彩なギターサウンドを再現しています。多くは日本のトッププレイヤーが務めています。

キーボードサポート: 原由子が担当する以外のキーボードパートや、複雑なアレンジの楽曲ではキーボードサポートが加わります。特にシンセサイザーやオルガンなど、多彩な音色を必要とする楽曲では、彼らの存在が不可欠です。

ホーンセクション: 「TSUNAMI」や「真夏の果実」など、華やかなブラスアレンジが特徴的な楽曲では、サックスやトランペット、トロンボーンなどのプレイヤーがその魅力を高めています。彼らの多くはジャズやポップスの世界でも活躍する実力者です。

コーラス: 特に大規模なライブでは、複数のコーラスメンバーが参加することも。彼らの存在により、スタジオレコーディングで重ねられた複雑なコーラスワークも、ライブで再現可能になっています。

これらのサポートメンバーたちは、普段は表舞台に立つことは少ないものの、サザンオールスターズの音楽を豊かで多彩なものにする上で欠かせない存在です。正規メンバーとサポートメンバーの絶妙なチームワークこそが、サザンの圧倒的なライブパフォーマンスを支える大きな要因となっているのです。

まとめ

1975年の結成から半世紀近くにわたって日本の音楽シーンを牽引し続けるサザンオールスターズ。「勝手にシンドバッド」でデビューして以来、「いとしのエリー」「真夏の果実」「TSUNAMI」など、時代を代表する数々の名曲を世に送り出してきました。

彼らの魅力は、単に長いキャリアや多くのヒット曲にあるのではなく、時代の空気を敏感に感じ取りながらも普遍的なメッセージを発信し続ける姿勢にあります。桑田佳祐の卓越した作詞作曲能力と、それを支えるメンバーたちの確かな演奏力。そして時に社会に対して鋭い視点を投げかける歌詞の数々。これらすべてが組み合わさって、サザンオールスターズという唯一無二のバンドが形作られています。

現在のメンバーである桑田佳祐、関口和之、松田弘、原由子、野沢秀行の5人は、それぞれが個性を持ちながらも、バンドとしての一体感を大切にしています。また、脱退した大森隆志やサポートメンバーを含め、多くの人々がサザンの音楽を支えてきました。

2008年からは「サザンオールスターズ年表」と題して不定期に活動する形に移行していますが、今なお日本を代表するロックバンドとしての地位は揺るぎません。彼らの音楽は、世代を超えて多くの人々の心に響き続けています。

これからも変わらぬ魅力と、時に意外性のある展開で私たちを楽しませてくれるサザンオールスターズ。日本の音楽史に輝く彼らの足跡は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

感想はこちらから

タイトルとURLをコピーしました