マカロニえんぴつ:メンバー紹介とバンドの魅力

マカロニえんぴつ

夏の終わりを告げる風に乗って届く切なさと、冬の寒さに佇む温かさ。そして青春の一ページを彩る甘酸っぱい恋心。マカロニえんぴつの音楽には、聴く人の心に寄り添うようなメロディとリリックが詰まっています。何気ない日常を特別に感じさせる彼らの音楽は、多くのリスナーの心を掴んで離しません。大学の音楽仲間から始まった彼らの物語は、今や日本の音楽シーンで欠かせない存在へと成長しました。本記事では、マカロニえんぴつのバンド概要からメンバー紹介、そして彼らの魅力的な楽曲までを詳しく紹介していきます。

マカロニえんぴつとは?

バンドの概要

マカロニえんぴつは、2012年に結成された日本のロックバンドです。現在のメンバーは、はっとり(ボーカル・ギター)、高野賢也(ベース)、田辺由明(ギター)、長谷川大喜(キーボード)の4人で構成されています。

バンドの特筆すべき点として、メンバー全員が洗足学園音楽大学出身であることが挙げられます。クラシックやジャズなどの高度な音楽教育を受けたメンバーたちは、その知識と技術を活かしながらも、親しみやすいポップな楽曲を生み出しています。

彼らは2015年にミニアルバム『Tokyoタラレバストーリー』でインディーズデビューし、着実にファンを増やしていきました。その後、2022年5月にシングル「窮屈」でメジャーデビューを果たし、現在では多くの楽曲がドラマやCMに起用されるなど、その存在感を着実に高めています。

バンド名の由来

「マカロニえんぴつ」というユニークなバンド名には、深い意味が込められています。この名前は、「中が空洞で存在感がないマカロニ」と「無から存在を創り出す鉛筆」という対照的な二つのものを組み合わせたものです。

バンド結成当初、メンバーたちは「無の状態から自分たちで意味のある音楽を手掛けていこう」という思いを持っていました。何もないところから創造していく鉛筆の力と、一見すると中身がなさそうに見えるマカロニが実は料理の主役になり得るという逆説的なイメージを重ね合わせ、このバンド名が生まれました。

また、「マカロニ」と「えんぴつ」という全く関連性のない言葉の組み合わせは、彼らの音楽性における「意外性」や「多様性」も表現しているのかもしれません。

結成の経緯

マカロニえんぴつの歴史は、ボーカルのはっとりが洗足学園音楽大学のロック&ポップスコースに入学したところから始まります。当初、はっとりにはバンドとしての明確なビジョンはなく、ただ「友達が少ない人たち」に声をかけて集まったのがきっかけだったといいます。

興味深いのは、メンバーの選出方法です。はっとりは「自分と似た雰囲気の人」ではなく、「友達が少なそうな人」を基準に声をかけたそうです。この独特な選出法が、結果的に個性の異なるメンバーが集まる要因となり、バンドの多様性を生み出しました。

「音楽をやろう」という目的自体は共通していましたが、それぞれのメンバーが持つ音楽性や趣向は必ずしも一致していませんでした。しかし、その違いこそがマカロニえんぴつの豊かな音楽性を形作る基盤となり、彼らの独自性を生み出すことになります。

メンバー紹介

はっとり(ボーカル・ギター担当)

マカロニえんぴつの顔であり、作詞作曲も手がけるボーカリスト・はっとり。本名は河野瑠之介で、1993年6月29日生まれ、鹿児島県出身です。洗足学園音楽大学のロック&ポップスコースでギターを専攻していました。

はっとりの歌声は、抑揚の効いた表現力と儚さを併せ持ち、リスナーの感情に直接訴えかけてくる力があります。特に恋愛や青春をテーマにした楽曲では、その心情を繊細に表現する歌声が多くのファンの共感を呼んでいます。

プライベートでは熱心な阪神タイガースのファンとしても知られており、野球にまつわる話題をSNSで発信することも。そのギャップも含めて、ファンからの親しみを集めています。

また、楽曲の多くを手がけるはっとりの作詞作曲の才能は、バンドの方向性を決める重要な要素となっています。日常の些細な出来事や感情を丁寧に描き出す歌詞は、多くのリスナーの心に残り続けています。

高野賢也(ベース担当)

ベースとコーラスを担当する高野賢也は、マカロニえんぴつの音楽的基盤を支える重要な存在です。洗足学園音楽大学出身の彼は、確かな技術と音楽性でバンドのグルーヴを支えています。

自らを「指が短い」と自己紹介するなど、ユニークなキャラクターの持ち主としても知られています。また、SNSでの投稿に誤字脱字が多いというのも彼の特徴の一つで、そのくだけた雰囲気がファンに親しみを与えています。

ステージ上では、安定したプレイと時折見せる表情豊かな演奏で観客を魅了します。特にはっとりの歌声と絡むように演奏されるベースラインは、マカロニえんぴつの楽曲の深みを増す重要な要素となっています。

田辺由明(ギター担当)

ギターとコーラスを担当する田辺由明は、1989年5月30日生まれのバンド最年長メンバー。彼のギタープレイは、技術的な確かさと繊細な表現力を兼ね備え、マカロニえんぴつの楽曲に色彩豊かな音世界をもたらしています。

プライベートでは熱心なサウナ愛好家として知られており、なんと「熱波師」の資格も持っているそうです。こうした意外な一面も、彼の魅力の一つとなっています。

バンド内では最年長という立場もあり、時に冷静な判断力でグループ全体をサポートする役割も担っています。また、コーラスでははっとりとのハーモニーを形成し、楽曲に深みを加える存在でもあります。

長谷川大喜(キーボード担当)

キーボードとコーラスを担当する長谷川大喜は、1993年11月19日生まれ、新潟県出身。洗足学園音楽大学では電子オルガンコースを専攻していました。

彼のキーボードプレイは、クラシックの素養を感じさせる繊細なタッチと、ポップスに対する理解が融合したものとなっています。特にバラード曲などでは、その演奏が楽曲の感情表現を大きく左右する重要な役割を果たしています。

ステージでは比較的控えめな印象を与えることもありますが、楽曲の要所では確かな技術で存在感を放ち、マカロニえんぴつのサウンドに欠かせない要素となっています。

旧メンバー

サティ(ドラムス担当)

バンド結成初期にドラムスを担当していたサティは、マカロニえんぴつの創成期を支えたメンバーの一人です。彼もまた洗足学園音楽大学の出身で、はっとりらと共にバンドの基礎を築きました。

詳細な情報は少ないものの、バンド初期の音楽性の形成に大きく貢献したことは間違いありません。その後のバンドの方向性や音楽スタイルにも、彼の影響が残っていると考えられます。

現在のマカロニえんぴつはドラムレスの編成で活動していますが、サポートドラマーを迎えてのライブパフォーマンスも行っており、彼らの音楽の幅の広さを示しています。

バンドの魅力

カジュアル感の強さ

マカロニえんぴつの大きな魅力の一つが、メンバーそれぞれが持つカジュアルな雰囲気と親しみやすさです。音楽大学出身という専門性の高いバックグラウンドを持ちながらも、決して高尚ぶることなく、等身大の姿勢で音楽と向き合う彼らの姿勢が、多くのファンの共感を呼んでいます。

インタビューやSNSでの発信では、メンバーそれぞれのユーモアや個性が光り、アーティストとしての一面だけでなく、普段の素顔も垣間見ることができます。高野の誤字脱字が多いSNS投稿や、はっとりの阪神愛、田辺のサウナ好きなど、音楽以外の部分での魅力も豊富です。

この「敷居の低さ」や「親近感」は、ライブ会場の雰囲気にも表れており、初めて彼らのライブに参加した人でも楽しめる温かい空気感が特徴です。カジュアルでありながらも、音楽への真摯な姿勢は決して揺らがない―そんなバランス感覚も、彼らの魅力の一つと言えるでしょう。

音楽性とスタイル

マカロニえんぴつの音楽性の特徴は、エモーショナルな歌声と多彩な音作りにあります。はっとりの抑揚豊かな歌声を中心に、キーボード、ギター、ベースが織りなす豊かな音色は、彼らの楽曲に独特の世界観をもたらしています。

音楽大学出身というバックグラウンドを活かした高度な音楽理論と演奏技術は、一聴してカジュアルなポップソングに聞こえる楽曲の中にも、細部にわたって活かされています。コード進行の妙や、絶妙なアレンジメントは、何度聴いても新たな発見があるほどの奥深さを持っています。

また、彼らの楽曲の特徴として、耳に残るキャッチーなメロディラインが挙げられます。特にサビの部分は一度聴いただけで記憶に残るような工夫がされており、それでいて陳腐さを感じさせないのは、彼らの音楽的センスの高さを示すものでしょう。

はっとりが手がける歌詞も彼らの魅力の一つで、日常の些細な出来事や感情を繊細に描き出す言葉選びは、多くのリスナーの共感を呼んでいます。特に恋愛や青春をテーマにした楽曲では、その心情を細やかに表現する力に定評があります。

ライブパフォーマンスの特徴

マカロニえんぴつのライブパフォーマンスは、CDで聴く以上の魅力と感動を届けてくれます。特に、はっとりの感情豊かな歌声は、ライブでより一層輝きを増し、楽曲の世界観を強く印象付けます。

楽曲によって異なる雰囲気づくりも彼らのライブの特徴です。アップテンポな曲では観客と一体となって盛り上がる場面もあれば、バラード曲では静寂の中で繊細な演奏を聴かせるなど、幅広い表現力を見せてくれます。

また、メンバー間の絶妙なアイコンタクトや、息の合ったプレイも見どころの一つ。長年一緒に音楽を作ってきた彼らだからこそ生み出せる一体感は、観客にも伝わり、特別な空間を創り出します。

さらに、曲間のMCや観客とのコミュニケーションでも、彼らの親しみやすさと誠実さが伝わってきます。カジュアルながらも、一人一人のファンに向き合う姿勢は、彼らのライブの温かい雰囲気を生み出す大きな要素となっています。

おすすめ楽曲

レモンパイ

「レモンパイ」は2020年にリリースされた楽曲で、テレビ朝日系「オスカル!はなきんリサーチ」のエンディングテーマに起用されたことでも話題となりました。

この曲の魅力は、爽やかなメロディと、少し切なさを含んだはっとりの歌声にあります。さっぱりとした酸味が特徴のレモンパイのように、スッキリとした音の響きと、どこか甘酸っぱい恋心を描いた歌詞が見事に調和しています。

特にサビの「君のレモンパイを食べたい」という歌詞は、素直な気持ちを表現しながらも、比喩的な表現で恋心を伝える巧みさが光ります。ポップなサウンドに乗せた等身大の感情表現は、マカロニえんぴつの真骨頂とも言えるでしょう。

この曲は、初めてマカロニえんぴつを聴く人にもおすすめの一曲で、彼らの音楽性を理解する入り口としても最適です。

ブルーベリー・ナイツ

「ブルーベリー・ナイツ」は、甘酸っぱいフルーツを題材にした恋愛ソングで、タイトルの洒落た言葉遊びも含めて、マカロニえんぴつらしさが詰まった一曲です。

この楽曲の特徴は、夜の静けさを表現するような落ち着いた曲調と、徐々に高まっていく感情の起伏を表現するアレンジにあります。特にはっとりの繊細な歌声が、夜の静寂の中で過ごす二人の甘い時間を情感豊かに描き出しています。

ブルーベリーの甘さと酸味が、恋愛の甘美さと切なさを象徴するかのような歌詞は、聴く人の心に染み入るような優しさを持っています。「ブルーベリーの夜」という表現は、二人だけの特別な時間を表す独自の言葉として、リスナーの記憶に残るでしょう。

ライブでのパフォーマンスでも人気の高い楽曲で、観客と一体となって作り出す空気感は、マカロニえんぴつのライブの魅力を体現しています。

恋人ごっこ

「恋人ごっこ」は2020年にリリースされ、HondaのCMソングにも起用された楽曲です。タイトル通り、恋人同士のような関係でありながらも、正式に付き合っているわけではない二人の微妙な心理を描いた切ない恋愛ソングです。

この曲の特徴は、どこか懐かしさを感じさせるメロディラインと、「恋人ごっこ」という言葉に象徴される、現代の若者が直面する曖昧な関係性の表現にあります。「恋人じゃないけど恋人みたいな」という歌詞は、多くのリスナーの経験と重なり、共感を呼んでいます。

はっとりの切なさを含んだ歌声が、この曲の世界観をより深く表現しており、特にサビで高まる感情表現は、心に響くものがあります。また、長谷川のキーボードが印象的なこの曲は、彼らの音楽性の幅広さを感じさせる一曲とも言えるでしょう。

CMソングとしても多くの人に親しまれた楽曲であり、マカロニえんぴつを知るきっかけとなった人も多いのではないでしょうか。

まとめ

マカロニえんぴつは、洗足学園音楽大学出身という専門的なバックグラウンドを持ちながらも、カジュアルで親しみやすい音楽を展開するバンドとして、日本の音楽シーンに確固たる地位を築いています。

はっとりの感情豊かな歌声と等身大の歌詞、そして高野、田辺、長谷川が織りなす豊かな音色は、多くのリスナーの心に直接語りかけるような力を持っています。特に恋愛や青春といったテーマを巧みに表現する彼らの楽曲は、聴く人の心に長く残り続けることでしょう。

「中が空洞で存在感がないマカロニ」と「無から存在を創り出す鉛筆」という対照的な存在を組み合わせた彼らのバンド名は、多様な音楽性と表現力を持ちながらも、どこか謙虚さや親しみやすさを持ち合わせる彼らのスタイルを象徴するものとなっています。

これからも新たな楽曲や活動で私たちを楽しませてくれるであろうマカロニえんぴつの今後の展開から、目が離せません。最新情報は公式SNSや公式ウェブサイトでチェックすることができますので、ぜひ彼らの音楽の旅に参加してみてください。

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