【Mr.Children】奥が深い「himawari」の歌詞の意味を考察!

Mr.Children

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「himawari」は2017年7月26日に発売されたMr.Childrenの37番目のシングルです。

アルバム「重力と呼吸」にも収録されており、映画「君の膵臓を食べたい」の主題歌にもなった曲です。

himawariの歌詞はこちら

「himawari」ができるまでの背景

元々は化粧品会社のCMソングの依頼を受け、書き始めていたそうです。

その後、CMソングとしてhimawariを使用しないという意思決定に至ったものの、後に映画「君の膵臓を食べたい」の主題歌のオファーを受け、楽曲と映画の世界観がリンクしていたことが理由で、歌詞を大きく変えることなくリリースするに至ったとされています。

himawariは歌詞が感動的であるという理由で音楽番組で紹介されていたりなど、Mr.Childrenの楽曲の中でも歌詞が好きというファンが多い楽曲です。

本記事ではそんなhimawariの歌詞を考察していきます。

「himawari」の曲名について

まずは「himawari」という曲名に関する話から紹介します。
これは桜井さんがどこまで考えて作詞作曲しているのかは分からないので、一部憶測も含まれるという前提で読んでいただければと思います。

映画「君の膵臓を食べたい」の主人公のクラスメイトでありヒロインとして「桜良(さくら)」という登場人物がいるのですが、名前が「桜良(さくら)」という春の花の名前であるにもかかわらず、曲の名前には夏の花である「himawari」という名がつけられています。

映画「君の膵臓を食べたい」を見たことがあるという人は分かるかと思いますが、この映画は主人公のクラスメイトである桜良(さくら)が膵臓の病気でそこまで長生きできないという事実を主人公が知るところからストーリーが始まります。

そんな主人公のクラスメイトであり、病気で寿命が迫ってきている桜良が、少しでも長生きできるように(春から夏へ、次の季節に進めるように)という願いや想いが込められているそうです。

また、桜良がいなくなるという事実を受け入れ、それを主人公が乗り越えていかないといけないという意味も込められているそうです。

まとめると

  • 主人公のクラスメイトであり寿命が迫っている桜良に長生きしてほしい(春から夏へ次の季節へ進んで欲しい)
  • 桜良が近い将来にいなくなるという悲しい事実を受け入れ、それを主人公が乗り越えていかないといけない

というダブルミーニングになっています。

また、ヒマワリの花言葉は「憧れ」「あなただけを見つめる」となっており、寿命が迫っていて本人が一番つらいであろうにもかかわらずに、明るく振舞うような桜良の生き様に対して、主人公が自分も憧れているというトリプルミーニングになっています。(桜井さんやばすぎる)

曲名にも深い意味が込められているので、歌詞考察に入る前に紹介させていただきました!

ここからは実際に歌い出しの部分から歌詞の考察をしていきます!

映画とかなりリンクしている部分があり、歌詞考察をする上で、寿命が迫っている彼女と主人公が登場するという前提で読み進めていただけると嬉しいです!

「himawari」の歌詞考察

優しさの死に化粧で
笑ってるように見せてる
君の覚悟が分かりすぎるから
僕はそっと手を振るだけ

歌い出しでいきなり「優しさの死に化粧」とあまり聞き慣れない単語が出てきます。

「死に化粧」とは故人に施す化粧のことです。

登場人物として、寿命が迫っている彼女が登場すると前置きで伝えさせていただいたかと思いますが、そんな彼女が余命が近く不安でいっぱいであるのにもかかわらず、不安をかけないように笑って本心を隠している様子を「優しさの死に化粧」と表現しています。

そして、そんな彼女の覚悟を見守る事しかできない主人公の様子が描かれています。

「ありがとう」も「さよなら」も僕らにはもういらない
「全部嘘だよ」そう言って笑う君を
まだ期待してるから

彼女が病気で寿命が迫ってきているという事実が嘘であってほしいという主人公の想いが読み取れます。

いつも
透き通るほど真っ直ぐに
明日へ漕ぎだす君がいる
眩しくて 綺麗で 苦しくなる

病気で寿命が迫ってきているのにもかかわらず、まっすぐに明日に向かって希望を捨てずに生きる彼女の姿を見て、本当に素敵な人だなと思いつつ、寿命が迫ってきているという現実が残酷で苦しいといった主人公の様子が描かれています。

暗がりで咲いてるひまわり
嵐が去ったあとの陽だまり
そんな君に僕は恋してた

ヒマワリは太陽の方を向いて咲くと言われていますが、歌詞では”暗がりで咲いているヒマワリ”となっています。
寿命が近いという暗い現実の中でも、明るく振舞っている彼女の様子が描かれています。

嵐が去った後の陽だまり”という歌詞についてです。

恐らく彼女も表向きは明るく振舞っているものの、家や病院にいたり、1人になるタイミングでは現実を受け入れられずに悲しみに暮れてしまうといった事もあると思います。
それでもそんな嵐のような悲しみを乗り越えた彼女の笑顔や生き様を”嵐が去った後の陽だまり”としていて、その様子が本当に素敵で、そんな君に主人公は恋をしていたという風に解釈できます。

想い出の角砂糖を
涙が溶かしちゃわぬように
僕の命と共に尽きるように
ちょっとずつ舐めて生きるから

想い出を角砂糖に例えてしまうあたり、桜井さんは本当に天才だなと思います。

ここは様々な解釈ができるところだと思いますが、筆者はここででてくる「想い出の角砂糖」というのは、彼女との残された時間のことを指していると考えています。

つまり、残された彼女との時間(想い出の角砂糖)を悲しく過ごす(涙が溶かす)ではなく、大事に大事に噛みしめて生きよう(ちょっとずつ舐めて生きるから)という主人公から彼女に対するメッセージだと解釈しています。

だけど
何故だろう 怖いもの見たさで
愛に彷徨う僕もいる
君のいない世界って
どんな色をしてたろう?
違う誰かの肌触り
格好つけたり はにかんだり
そんな僕が果たしているんだろうか?

怖いもの見たさというのは、見れば恐ろしくなるのを知りながら好奇心に誘われてついつい見たくなるのが人情であることを意味します。

彼女がいない世界のことを想像し、彼女ではない誰かの肌触りを感じたり、その人の為にカッコつけたり笑ったりすることができるだろうか?としており、主人公が彼女の寿命が迫っているという現実を受け入れないといけないと思いつつも、それを受け入れることができない様子が描かれています。

諦めること
妥協すること
誰かにあわせて生きること
考えてる風でいて
実はそんなに深く考えていやしないこと
思いを飲み込む美学と
自分を言いくるめて
実際は面倒臭いことから逃げるようにして
邪(よこしま)にただ生きている

邪(よこしま)という単語はあまり聞きなれないかもしれないですが、「正しくない事。道に外れていること」を意味します。

寿命が迫っているという現実を受け入れ、真っすぐに生きる彼女の生き様と自分(主人公)を比較しているのだと思います。
自分はこのままではダメで変わらないといけないと頭では色々考えているものの、実際に自分自身の行動に移せずに主人公が自問自答しているように見えます。

本来はこういうことをすべきというのが自分の頭の中で分かっていながらも、それとは違う道で生きてしまっている自分のことを憂いているようにも見えます。

だから
透き通るほど真っ直ぐに
明日へ漕ぎだす君をみて
眩しくて 綺麗で 苦しくなる
暗がりで咲いてるひまわり
嵐が去ったあとの陽だまり
そんな君に僕は恋してた
そんな君を僕は ずっと

”だから”からスタートしており、前の歌詞から繋がっています。
前の歌詞で主人公がこのままではいけない、変わらないといけないと分かっていながらも、なかなか行動に移せていない様子にモヤモヤしている主人公の様子が描かれていました。

自分の頭の中ではやるべきことが理解できていながらも、邪に生きてしまっている主人公が、どこまでも真っすぐに生きている彼女を見て、苦しいといった様子が描かれています。

「そんな君を僕はずっと」で曲が締められており、主人公が彼女のことを一生忘れないという思いや、彼女に対して恥じない生き方をしていこうという思いが読み取れるかと思います。

まとめ

ここまでhimawariの歌詞考察をしてきました。

様々な解釈が取れるかと思いますが、Mr.Childrenの楽曲の中でもトップを争うくらい歌詞が深く、桜井さんの天才的な才能が垣間見える楽曲だと思います。

また、himawariを制作した際のドキュメンタリーでは「ただのヒマワリではなく、暗がりで咲いているヒマワリというのに意味がある。それを歌詞だけでなく演奏で表現したい」といった旨の話をされています。
YouTubeでライブでの演奏も視聴できるので、歌詞の意味を理解した上で桜井さんがどのような感情をこめて歌っているかを見てみるのもいいかもしれません。

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